内容説明
サーカス芸人専門の養老院「天幕荘」。そこに雑誌ライターの真野博史が運命の糸に導かれてやってくる。事件の幕は、密室内の奇妙な殺人で上がった。住人はかつて超人的な芸を誇ったスターたち。彼らの前に「密室」は果たして存在しうるのか?アクロバティックな一世一代の離れ技、とくとご覧あれ!魔術的新本格の傑作、再び。
著者等紹介
井上雅彦[イノウエマサヒコ]
1960年東京都生まれ。1983年に「よけいなものが」で星新一ショートショートコンテスト優秀作受賞。同作を収録した怪奇幻想短篇集『異形博覧会』で注目を集める。自ら企画・監修したオリジナルアンソロジー『異形コレクション』で第十九回日本SF大賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らきむぼん
11
まさにサーカスのような賑やかですこし不思議な、絢爛かつ怪奇的な作品。 サーカス藝人専門の養老院が舞台のどこか闇を纏ったミステリ。 現実的には信じがたい出来事の紐解きがミステリとしては気持ちがよく、膨大な謎と奇妙な設定が次々に手を変えて読者に提示される。 やりすぎなほどに好きなものを詰め込んで、それでいてなんとか綺麗にまとめきったというような作品。本格ミステリの持つ暗黒性を継承した怪作。2021/05/23
浅木原
6
怪奇幻想フリークス新本格。乱歩というより綾辻行人『暗黒館の殺人』が一番近い気がする。混沌とした舞台設定と異様な登場人物たちが織り成す謎と幻想は、これちゃんとミステリとして収拾つくの? という気分になるけど、解決編まで辿り着いて大笑い。あまりにも壮大すぎる連城的構図の計画に開いた口がふさがらない。いやいやいや。冒頭からの怪奇幻想的雰囲気の中ではこの素っ頓狂な真相になんか納得させられてしまう。全体的にとっちらかってるし、黒幕の語る背景の安っぽさはもうちょっとこう……とは思うけど、面白かった。2016/07/14
シアン
6
(図書館本)怪奇幻想ミステリ。江戸川乱歩を彷彿とさせる世界観。かなり特殊な設定だけれど、本格物。個人的には細かい部分で納得がいかないけれど、かなりの力作。読者諸君、直感を信じるべし。初読の感覚が謎解きの鍵になるかも。2015/06/11
ソラ
5
【読メ登録以前読了作品】 内容(「BOOK」データベースより) サーカス芸人専門の養老院「天幕荘」。そこに雑誌ライターの真野博史が運命の糸に導かれてやってくる。事件の幕は、密室内の奇妙な殺人で上がった。住人はかつて超人的な芸を誇ったスターたち。彼らの前に「密室」は果たして存在しうるのか?2008/02/01
ソラ
5
内容(「BOOK」データベースより) サーカス芸人専門の養老院「天幕荘」。そこに雑誌ライターの真野博史が運命の糸に導かれてやってくる。事件の幕は、密室内の奇妙な殺人で上がった。住人はかつて超人的な芸を誇ったスターたち。彼らの前に「密室」は果たして存在しうるのか?2010/07/01