内容説明
三重密室殺人と人体消失。寝台特急「あさかぜ」の個室で起こった、世にも怪奇な事件。さらに、若い男性の全裸死体が氷柱の中に陳列されたガラス御殿の謎。悪夢、混沌、泥沼…。「殺人の美学」を纒った魔王ラビリンスの企てに、蘭子は「純粋論理」を楯に推理の槍を突きつける。怪人対名探偵の対決は、果たして…。
著者等紹介
二階堂黎人[ニカイドウレイト]
1959年7月19日東京都に生まれる。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第1回鮎川哲也賞で『吸血の家』(講談社文庫所収)が佳作入選、1992年『地獄の奇術師』でデビューし、推理界の注目を大いに集める。著書に『聖アウスラ修道院の惨劇』、短編集『ユリ迷宮』『バラ迷宮』、全4部からなる世界最長の本格推理小説『人狼城の恐怖』(すべて講談社ノベルス)、氏の敬愛するJ・D・カーについての対談や随筆をも収録した作品集『名探偵の肖像』(講談社ノベルス)など多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miroku
12
名探偵VS怪人という図式。しかし、なんだかなぁ~。全てにおいて中途半端な気がする・・・。2012/06/11
ヤギ郎
10
人狼城へ訪れる前の物語。二階堂蘭子の宿敵となる魔王ラビリンスの登場。軽いミステリーになってきたけれど、それでも面白い。魔王ラビリンスからの挑戦状が迷路になっている。2020/05/14
つばめ
9
覇王を先に読んでしまったので、ちょっと残念だけど、古式ゆかしいミステリの雰囲気は楽しめた。乱歩作品は私の脳にすり込みされてる。2017/09/30
ホームズ
4
『人狼城』の続きが読みたかったけど、これもありかな(笑)2000/04/11
kagetrasama-aoi(葵・橘)
3
名探偵二階堂蘭子シリーズ、「人狼城」を五作目とカウントするとこれは六作目となるわけなんですが、時系列的には「人狼城」よりも前の事件。そして、”魔王ラビリンス”と敵対する始まりの一冊。三部からなる連作集で、一部、二部ともいかにも名探偵対怪人っていう香りのするトリッキーなお話。好みです、そしてこれから”ラビリンス”がどんな暗躍をするのか、期待が高まります!江戸川乱歩氏の香りがこれでもか!っていうほど漂う作品、面白かったです。2016/01/31