内容説明
アムステルダムに居ついたシナリオライターの卵・恭司は、彼の地で発生したバラバラ殺人事件の渦中に巻きこまれてゆく…。全編に乱舞する薔薇のイメージ、アムステルダムと大阪、二つの水の都をめぐる詩美性あふれるミステリとロジックの急流!まぎれもなく、有栖川ミステリ裏ベストワン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J7(読メ低浮上中)
23
ある早朝、大阪の運河に浮かんだバラバラ死体。物語はそこから一人の男の記憶に入り、オランダ・アムステルダムへと一気に舞台が飛ぶ。読み終わった後、この本は有栖川ミステリなのかと問われると、そうだとも言えるし全然違うとも言える。異国の地で繰り広げられる旅人たちの人情劇。それらを包みこんでいるのは水の都が抱える魔力と、夢幻的な精神世界だ。その世界の前では作中の殺人事件の真実でさえ、どこか幻と消えてしまう。推理やロジック以上に有栖川有栖という作家の“情緒”が傑出した作品。確かにこれは裏の代表作かもしれない。2016/04/17
那由多
6
第1期有栖川愛が発動した頃に読みましたが、あまり好きではなかった。しかし第3期に突入している今なら、また違った感想を持つかもしれない。でも再読したいものが他にもあるので、また今度第4期か第5期くらいで再挑戦してみたい。【2019.8.2 投稿】
takaC
6
幻想でした。(1999年)1999/01/01
夜梨@灯れ松明の火
5
図書館2013/11/13
中瓦
4
ミステリだと考えないで文に身を任せる2011/12/22