出版社内容情報
【内容紹介】
ルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、クラヴサンの名手・シュターケル僧院長の前で演奏する機会に恵まれた。だが、尊敬するモーツァルトが死亡したことを知ったベートーヴェンは悲しみのあまりに放心状態に陥る!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
4
ハイドンに認められ、才能を開花させていくルードウィヒは若手作曲家として頭角を現し、フランス革命への干渉戦争に押しかけ従軍する羽目になったフランツは数奇な運命を辿っていく。これから話が大きく動き出しそうなところで、残念ながら絶筆に。ルードウィヒとフランツの対決を、盗み撮りビデオで表現した構成は、亡くなる直前でも衰える事のない創作への執念が伺える。巻末は手塚先生がベートーベンの家を訪れたエッセイだが、受付の人は「日本人は何故べートーベンがそんなに好きなのかね。それも、来るのは子供みたいな女の子ばかりだよ」と2023/05/31
ともぴ
1
ルードウィヒの耳が少し悪くなり始めたところで未完。フランツもユリシーズという心の拠り所を得て、いよいよこれから二人の人生の決着(どういった赦しでフランツが救済され、ルードウィヒが耳の聞こえない自分を受け入れるかなど)が描かれるというところで未完。熟練した筆致でとても素晴らしい作品。続きが読めないのが残念すぎる。2014/12/07
陽@宇宙望遠鏡⭐︎星と宇宙
1
絶筆作品。これからというところで・・ この作品もそうだけれど、手塚の生み出していった表現方法の素晴らしさに息を呑む。音を視覚化する、彼の感性とベートーベンの想いが融合し動き出す。 「ダイの大冒険」が実はポップの成長物語であるように、この作品は、ベートベンよりも、フランツの影との闘いの物語なのであろう。絶筆が悔やまれる。2012/08/09
はちてん
1
ここまで。絶筆。物語も音楽もいつかは終わる。二人の天才が目の前で断ち切られた。目眩のような感覚。2011/12/14
はる
1
ワクワクして読み進めていったらまさかの絶筆。それでも途中までなのにまた読みたくなる。