講談社学術文庫<br> 物部氏の伝承

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講談社学術文庫
物部氏の伝承

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061598652
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0121

出版社内容情報

既成の古代史像に疑問をもった著者が、史料を朝鮮語により丹念に解読していくと、意外な真実が浮かび上がった。「物部氏」とは何者だったのか?

大和朝廷で軍事的な職掌を担っていたとされる物部氏。しかし、その一族の実像は茫漠として、いまだ多くの謎に包まれている。記紀の伝承や物部氏の系譜を丹念にたどり、朝鮮語を手がかりに解読を試みると、そこには思いがけぬ真実の姿が浮かび上がってきた。既存の古代史観に疑問を投げかけ、作り上げられた物部氏の虚像を看破する著者独自の論考。

はじめに、この本の主人公である物部氏について、私の考えた結論を、かんたんに述べておこう。一言で言って、「物部氏」という氏族は存在しなかった。(略)「物部氏」というのは、この物部連のことであり、かつ、物部八十氏をひっくるめてすべて同族と見なし、「物部氏」と呼び慣らわしてきているのである。だが、それはとんでもない誤りである。――<「はしがき」より>

※本書の底本は1977年、吉川弘文館より刊行されました。

第1章 物部氏と物部連――饒速日命と可美真手命
第2章 蛇と鵄――長髄彦伝承と神武の大和平定伝承
第3章 香の鍛冶王――伊香色雄命
第4章 鍛冶王のバラード――「物部氏」系譜伝承
第5章 石上神宮の謎――石上朝臣と布留宿彌


畑井 弘[ハタイ ヒロム]
著・文・その他

内容説明

大和朝廷で軍事的な職掌を担っていたとされる物部氏。しかし、その一族の実像は茫漠として、いまだ多くの謎に包まれている。記紀の伝承や物部氏の系譜を丹念にたどり、朝鮮語を手がかりに解読を試みると、そこには思いがけぬ真実の姿が浮かび上がってきた。既存の古代史観に疑問を投げかけ、作り上げられた物部氏の虚像を看破する著者独自の論考。

目次

第1章 物部氏と物部連―饒速日命と可美真手命(饒速日命;饒速日命は虚像である ほか)
第2章 蛇と鵄―長髄彦伝承と神武の大和平定伝承(長髄彦は銅鐸祭祀の蛇神族の魁帥;磐余の登美毘古 ほか)
第3章 香の鍛冶王―伊香色雄命(物部連の祖、伊香色雄;「赤銅八十梟帥」の一人だった伊香色雄 ほか)
第4章 鍛冶王のバラード―「物部氏」系譜伝承(忍坂の鍛冶王物部五十琴宿禰;安閑・宣化朝と布都久留流物部氏 ほか)
第5章 石上神宮の謎―石上朝臣と布留宿禰(石上神宮の創設と石上朝臣家の成立;石上坐布留御魂神社と布留宿禰の祖流 ほか)

著者等紹介

畑井弘[ハタイヒロム]
1927年生まれ。1953年、京都大学文学部史学科卒業。文学博士。現在、甲南大学名誉教授、西北大学名誉教授(中国西安市)、陝西省博物館(碑林・中国西安市)名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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はるわか

15
「物部氏」という氏族は存在せず、存在したのは物具(モノノグ=兵器)を中心とした金属器生産に携わり、フツノミタマを祭り、モノノフとしてヤマト朝廷の軍事・祭祀的職掌を担った「物部連」(担う氏族は幾度も交替)。継体天皇の直属軍団として大和に進出した「物部」兵団は、大和・石上土着の布留氏(広範な分業的手工業生産力)と連携。2020/01/19

こぽぞう☆

5
40年近く前に書かれた本なのか。あとがき読んでやや納得。私も朝鮮語には全く詳しくないのだが、こんなに乱暴に持ってきていいのか?と疑問に思うところ多々。例えば、日本語ではrとlの発音がごっちゃになるのはわかるが、朝鮮語でもそうなの?とか、現代朝鮮語と比べてるだけだし、とか。2015/12/24

Kazuya Nakagawa

2
古代史は漢字が読めないから嫌い。2017/11/08

くまきん

1
結論が前書きに書いてある(笑)。「物部氏」という氏族は存在しなかった。存在したのは兵器を中心とする金属器生産に携わった「物部八十供雄」氏族郡と、それらを統率してヤマト王権の軍事、祭祀的伴造としての職掌を担った「物部連」家たる氏族であったと。普通言う物部氏とはこの物部連の事であると著者は主張する。「先代旧事本紀」も日本書紀や古事記と同じように、幾つもの氏族に伝承を無理矢理くっつけて創りあげたものらしい。まあそうかもしれないとは思う。そして地名人名の真の意味を朝鮮語からあぶり出すのだが、ちょっとまった。現代2015/10/14

sikamo

0
「物部」=「もののふ」っていうのは成程って感じ。2017/01/11

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