出版社内容情報
既成の古代史像に疑問をもった著者が、史料を朝鮮語により丹念に解読していくと、意外な真実が浮かび上がった。「物部氏」とは何者だったのか?
大和朝廷で軍事的な職掌を担っていたとされる物部氏。しかし、その一族の実像は茫漠として、いまだ多くの謎に包まれている。記紀の伝承や物部氏の系譜を丹念にたどり、朝鮮語を手がかりに解読を試みると、そこには思いがけぬ真実の姿が浮かび上がってきた。既存の古代史観に疑問を投げかけ、作り上げられた物部氏の虚像を看破する著者独自の論考。
はじめに、この本の主人公である物部氏について、私の考えた結論を、かんたんに述べておこう。一言で言って、「物部氏」という氏族は存在しなかった。(略)「物部氏」というのは、この物部連のことであり、かつ、物部八十氏をひっくるめてすべて同族と見なし、「物部氏」と呼び慣らわしてきているのである。だが、それはとんでもない誤りである。――<「はしがき」より>
※本書の底本は1977年、吉川弘文館より刊行されました。
第1章 物部氏と物部連――饒速日命と可美真手命
第2章 蛇と鵄――長髄彦伝承と神武の大和平定伝承
第3章 香の鍛冶王――伊香色雄命
第4章 鍛冶王のバラード――「物部氏」系譜伝承
第5章 石上神宮の謎――石上朝臣と布留宿彌
畑井 弘[ハタイ ヒロム]
著・文・その他
内容説明
大和朝廷で軍事的な職掌を担っていたとされる物部氏。しかし、その一族の実像は茫漠として、いまだ多くの謎に包まれている。記紀の伝承や物部氏の系譜を丹念にたどり、朝鮮語を手がかりに解読を試みると、そこには思いがけぬ真実の姿が浮かび上がってきた。既存の古代史観に疑問を投げかけ、作り上げられた物部氏の虚像を看破する著者独自の論考。
目次
第1章 物部氏と物部連―饒速日命と可美真手命(饒速日命;饒速日命は虚像である ほか)
第2章 蛇と鵄―長髄彦伝承と神武の大和平定伝承(長髄彦は銅鐸祭祀の蛇神族の魁帥;磐余の登美毘古 ほか)
第3章 香の鍛冶王―伊香色雄命(物部連の祖、伊香色雄;「赤銅八十梟帥」の一人だった伊香色雄 ほか)
第4章 鍛冶王のバラード―「物部氏」系譜伝承(忍坂の鍛冶王物部五十琴宿禰;安閑・宣化朝と布都久留流物部氏 ほか)
第5章 石上神宮の謎―石上朝臣と布留宿禰(石上神宮の創設と石上朝臣家の成立;石上坐布留御魂神社と布留宿禰の祖流 ほか)
著者等紹介
畑井弘[ハタイヒロム]
1927年生まれ。1953年、京都大学文学部史学科卒業。文学博士。現在、甲南大学名誉教授、西北大学名誉教授(中国西安市)、陝西省博物館(碑林・中国西安市)名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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