講談社学術文庫<br> 禅の道

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講談社学術文庫
禅の道

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  • サイズ 文庫判/ページ数 208p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784061589889
  • NDC分類 188.8
  • Cコード C0115

内容説明

本書は、オイゲン・ヘリゲルのいわば「遺稿集」である。ここに収められている禅の神秘主義を論じた手稿の数々は、いずれもヘリゲル自身の決定稿である。“虎の描いて猫に類する”底の禅書が氾濫するなかで、身をもって禅の真髄に徹したヘリゲルの片言隻句は今日なお新しく、多くの示唆を与えてくれる。

目次

第1部 禅の道―オイゲン・ヘリゲルの手記より(禅の独自性―ヨーロッパ神秘主義と対比して;禅堂の修行;呼吸法;公案;「悟り」;公案体系;師家はどのようにして弟子の見性を「見分ける」のか?;日本演劇との関係;師家の点検;「悟り」による弟子の変化;禅と芸術;禅画;詩の中の「悟り」;見性体験に基づく思弁;日常生活における禅者の態度;禅僧;「山上また山あり」)
第2部 禅の実践(禅の修行者の成長過程:修行の道;陰徳;放下;悟り、再生、仏性;慈と悲;不立文字;万物との交感;禅僧の理解力;禅者と世間、生活、日常)
第3部 ヨーロッパから見た禅(禅と古典的仏教瞑想神秘主義;雑事における忍耐と克己;禅は権力欲や宣伝とは無縁である;禅宗―ヨーロッパ人の視点から;人間の「擬我」;転換の道;芸道における禅と禅道における修行法との相違;存在の中心;人間の離心と人間の本質成就;思惟の役割;正義と慈悲)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

著者の生き様を学ぶ庵さん

31
弓道を離れ、哲学者ヘリゲルが禅について哲学的論考を遺し、ヘリゲル没後、後世の方がまとめたもの。禅のことも良く分からず、哲学はもっと分からないため、この本を読むのは苦行ですが、次のことだけは分かりました。「禅堂教育の影響は、後々にまで及ぶ。彼らの態度も、それを承けて他について、他の人間や境遇について、愚痴を言うことはやめ、〈他〉をではなく、〈自分〉の方を変えていこうとする。つまり忍辱(にんにく)の力を養うのである。」禅とは、哲学とは、深いですね。2016/11/30

Gotoran

9
独の新カント学派哲学者で、神秘主義の識者の著者(E.ヘリゲル)が、大正~昭和初期に来日、6年間東北帝大で教鞭を取る傍ら、弓道の修行とともに『禅の道』にも接近。本書は、外国人が説く禅学的体験の教え、それは“不立文字・教外別伝・以心伝心”と言われる『禅の道』に於ける「道標」として、自らの体験に基づいた片言隻句。非常に興味深く読むことが出来た。次は、積読中の『弓と禅』(相当前に、約1年前か?、読メ読友感想で読みたくなったもの、やっとその時が来た)を。2012/05/26

ギダちゃん

1
①幸福であるという事は、単なる星の巡り合わせではなく、習得し、一段一段と上達して行ける一つの技術である。②禅の道に入るのに大切なのは、持久力である。上達がゆるやかであればあるほど望ましい。③一切の存在に対する畏敬の念こそ、禅仏教の公式であり、そこにこそ、全の奥義はかくされている。2010/08/11

読書迷太

1
ラフカディオ・ハーンの『心』に似たような印象があります。2010/05/13

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