内容説明
事象そのものに向かい、具体的な事象の屈曲にそっていく方法を特徴とするベルクソンの哲学。本書は第1部でベルクソンの生涯と思想を概観し、第2部では、「ベルクソン自身によるベルクソン」というスタイルでベルクソン自身の言葉のみによる『物質と記憶』『創造的進化』などの4大主著を紹介し、更に第3部でベルクソンの他領域への広がりにも言及した。現代思想界の巨人ベルクソンの実像に迫る好著。
目次
1 ベルクソンの生涯と思想(修学時代;高等中学校の教師時代;コレージュ・ド・フランスの教授時代;晩年)
2 ベルクソンの主著(『意識に直接与えられているものについての試論―時間と自由』;『物質と記憶』;『創造的進化』;『道徳と宗教の二源泉』)
3 生けるベルクソン(生きられる時間と生きられる空間;生命の進化と宇宙の進化)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どらがあんこ
10
ベルクソンの言葉や例えは平易であるがそれ故に追いつかないこともしばしば。抄訳の密度でお腹いっぱいです。三部の展開は著者の『身の構造』あたり読んどくと掴みやすいかも。2019/05/08
Bartleby
7
半分以上が抄訳で、それ以外も著作の要約が多いので、ベルクソンの入門書としてはちょっと不満があるけれど、ある程度読んだうえでおさらいするための本としては良さそう。2013/08/16
♨️
2
生涯及び思想の概観、4主著からの250頁ほどの抄訳、後継者のミンコフスキー、テイヤール・ド・シャルダンの思想概観からなる。概観の文章がよく、長い抄訳の導入として機能していたと思う。『試論』で空間対持続として扱われていたものが『物質と記憶』では物質対記憶となり逆円錐のモデルへ、『創造的進化』では本能対知性になりながらその対立構造を作るすべての個体の元となる「生命」現象が問われる。『二源泉』では、ここまでの対に対して、情念-動的宗教-神秘主義-人類愛という軸が加わり話がひっくり返る印象を持った。2022/10/29
yorip
1
「ムータン博士による催眠術の集いに参加し、」という部分がもっと詳しく知りたかった2022/10/17
Yuki
0
400頁中、約250頁が抄訳。読み方の工夫を強いる。2016/03/01