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講談社現代新書
「変態」の時代

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  • サイズ 新書判/ページ数 217p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061498150
  • NDC分類 367.9
  • Cコード C0236

内容説明

検閲、発禁と闘って変態研究に熱中した男たち。

目次

第1章 変態のあけぼの―『変態心理』とその時代
第2章 性とは無縁な「変態」―幽霊、神がかり、迷信
第3章 流行語になった「変態」
第4章 変態性欲って何?
第5章 民俗学と変態
第6章 「変態イコール変態性欲」への道
第7章 変態で遊び変態で闘った男たち
第8章 「正常」の逆襲と総力戦体制

著者等紹介

菅野聡美[カンノサトミ]
1963年、神奈川県生まれ。1991年、慶応義塾大学大学院博士課程単位取得退学。放送大学講師、琉球大学講師を経て、琉球大学法文学部助教授。専攻は日本政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

37
時代は明治末期から戦中にかけて。漢語化された時点では、現代のHENTAI的意味は希薄な、常識や体制と異なる心理、行動を形容する言葉だったものが、大正の商業メディアの発達によって異常性慾(現代では非該当も含む)に限定するものに変化していったと文献を渉猟し、検証する。単に悪趣味、露悪なものから、学術的研究や民俗学、ルポルタージュに特化するものなど多岐に渡るも、戦中と戦後の検閲の嵐の中、御上による非正常へと先祖返りする。しかしそこは日本人。「秘してこそ花」の言葉ではないが禁止も規制も、発情の香辛料にすぎない。2025/01/05

冬憑……(ふゆつき)

7
世の中には多くの変態がございまして、気付けば日本は変態大国、英語にまで変態が輸出されるまでになりましたが、これは日本人の凝り性といいますか国民性の為せる技。しかし現代で俗に言う「変態」とはこの本における「変態性欲」でございまして、元は正態でない物を指し示していたようで。猟奇や奇人変人、精神や果ては心霊超能力の類、そういった日常から逸脱した状態の学問だったようでございます。そのような人間の興味の移り変わりと、それに翻弄された人々の歴史を戦後辺りまでこの本は示しております。変態を自負する皆様、どうぞご一読をば2016/02/18

take0

4
書名がちょっとアレですが…尾崎翠さんの「第七官界彷徨」や「アップルパイの午後」に「変態心理」「変態趣味」「変態感情」「変態感覚」といった語が登場する。川崎賢子さんの『尾崎翠 砂丘の彼方へ』によれば「変態」という言葉は当時、正常・常識的な様態を逸脱した状態・現象を指して広く使われていたらしく、川崎さんの著書に参考文献として本書が挙がっていたので読んでみることにした。2018/10/18

メイロング

4
タイトルの牽引力とは相反する硬い内容。戦前のエログロナンセンス期のメディアがいかに面白く、工夫して出版していたか時系列に追っていける。男の娘や女装男子って大正のころからあったのね。同性愛同人誌なんて今日じゃ別の意味になっちゃう。雑誌を作る側の工夫とプライドが戦争末期を境に失われてしまったというシメは著者の寂しさが見えてホロリ。2012/08/27

Junichi Watanabe

3
#読了 。タイトルで購入。「変態」という言葉がどうしてうまれてきたか、また現在の性的な意味合いにどう変わってきたかを真面目に論述している。ちょっとムフフを期待していた自分が恥ずかしい。変態と左翼、民俗学が繋がっているのは興味深い。2021/11/15

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