講談社現代新書<br> 捨聖・一遍上人

講談社現代新書
捨聖・一遍上人

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  • サイズ 新書判/ページ数 213p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061492813
  • NDC分類 188.692
  • Cコード C0214

内容説明

南無阿弥陀仏とただ一度(=一遍)唱えるだけで極楽に往生すると説いた鎌倉仏教最後の祖師。族縁はすべて捨て去り、おどり念仏で全国をまわり、女人非人をも救済した希代の生涯を描く。

目次

序章 捨聖の風貌
第1章 模索の中の遊行
第2章 おどり念仏―遊行の盛行
第3章 一遍と女人往生
第4章 一遍と和歌・和讃
第5章 一遍の臨終
第6章 一遍の法語を読む
終章 一遍寂後の時宗

感想・レビュー

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うえ

10
「空也がおどり始めたのは、九三八年の入京以降…九三〇年には宮中清涼殿に落雷があって菅原道真の怨霊のせいとされた。九四一年、日蔵という僧は吉野山中でその霊に会うし、翌年、アヤ子という巫女は京の西七条で託宣によってその霊を祀る。北野天神の根本である…九四五年に西国から志多良神と称する神が上京するという流言があった…空也のおどり念仏はこのような状況下で開始された。一遍はとくに京の東市跡のおどり念仏で大成功を得た…一遍がおどり始めた一二七九年は、文永の役の延長で、元使が来たり、これが博多で斬られたりしている」2017/12/30

nbhd

9
がんばって読み通してみたのだけど、どうも一遍さんは掴めない。というか、一遍さんの教え自体が「お念仏を掴まないこと」を念頭においているよう思えてきて、それっていったいどういうことだとハテナマークがぐるぐるしている。ただ一か所、ビクッと反応したところをあげるなら、全国を遊行してまわった一遍さんの同行者に『超一』『超二』(一遍さんの妻と娘らしい)という2人がいて、その名前がどことなく「アストロ球団」をにおわせている、というところくらいだ。2016/06/18

非実在の構想

2
極楽を実在するものと捉えず、名号を唱えることが即往生であり、機(衆生)と法(阿弥陀)が一体になるという考えに惹かれる。華厳や天台に近い気がする。鎌倉の祖師のなかでは一遍が一番好きだ。2018/04/30

kera1019

2
一遍の法話は名号を以って往生すべし。己を一切捨て、無にして名号と一体になる以外に救いはないと云う。一遍と親鸞、称名すれば阿弥陀仏の誓願によって全ての衆生は浄土に往生するという浄土教の共通基盤に立脚してるものの、一遍の宗教的軌跡を見ると熊野での託宣以降に見られる遊行、賦算、おどり念仏の実践は行動的で思想家としての印象が強い親鸞とは対象的で面白い。2013/03/02

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