内容説明
Time flies like an arrow.(光陰矢の如し)電算機が訳すと「時間蠅は矢を好む」―。私たちはどうすれば誤訳の森をぬけ、正訳の泉にたどりつけるのか?挾み打翻訳法ほか著者多年のノウハウを披瀝しつつ、名訳の秘密、誤訳の原因を尋ねる楽しい一巻。
目次
1 翻訳とはなにか(翻訳はなぜむずかしいか;名訳の歴史をたずねて;歴史を変えた?誤訳;誤訳か、悪訳か)
2 名訳の森(名訳の条件;“創訳”の問題;共訳について ほか)
3 誤訳の森(誤訳の病理学;歌詞の誤訳―誤訳はこうして起こる;詩の誤訳―直訳と意訳の問題 ほか)
補章 本文英訳の可能性(英和と和英の違い;『草枕』の英訳;二つの『源氏物語』;英語俳句)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
26
1989年発行。学校の英語の授業で英文を和訳した時の違和感や翻訳家の仕事の難しさを知ることも兼ねて読みました。外国語を日本語にするというのは外国語が分かるというだけでは不十分で、そこに外国語の文化や対象作品についての予備知識・理解が必要となる。名訳はそれらをおさえたうえで日本語として違和感がないものになる。英語の授業の時に違和感があったのは作品自体の理解が足りず、ただ辞典を見て英語を日本語変換しただけだったということが分かった。再挑戦も兼ねて英語の本も読むようにしていきたい。2023/09/18
marimo
0
頂き物(8) ★☆☆ こういう心づもりで翻訳にあたるべき、という部分については参考になった。2013/08/15
あっちゃんのパパ
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評価=3:翻訳の難しさが、よく分かった。2011/07/24
kozawa
0
概ね言いたいことは納得がいくし、読んでいておもしろかったからいっか。直接役に立つかと言われると悩ましいところがあるが、興味があれば読んでおく価値はありそう。通常は「訳文を日本語として純粋に見ておかしければ大抵原文の解釈を間違っている」には激しく同意2010/09/22