感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
69
スピンラッド・後世のヒーローは悩み、葛藤を身に纏う。アンダースン＆ディクスン・プリントアディクション ベア、あるいはコスプレ・テディベア。ノールズ・発情の男たちの関心事。ファーマー・『緋色の研究』犬のホームズ。スタントン・先駆け、ミステリー仕掛けのアルジャーノン。ゼラズニイ・『吸血鬼に花束を』ギャレット・もはや揶揄。スラデック・バラードの作風で騙る。グーラート・ＳＦ者たち。ブリッシュ＆スタントン・アシモフは知っているが…？アトリー＆ウォードロップ・地底世界へ狂気の山脈へ、フランケンシュタインの怪物の冒険。2021/03/14
ワッピー
40
「吸血機伝説」読書会のため、読みかえし。今のマーベル映画無双時代を予見したかのような「スーパーマン症候群」（スピンアウト映画できないかな？）、大使夫人タニの活躍するホーカシリーズ名作「ホーカミの群れ」、古き良き時代のセクシー「好色な神へのささげ物」、ファーマー別名義のシャーロック・パスティーシュ「スカーレティンの研究」、あまりにも有名なあの作品の先駆「バーニイ」、伝説の終焉と新生「吸血機伝説」、これだけ読んでも元シリーズ理解に十分な「レンズマン裏舞台」、バラードをスラディック風味に調理した「昇華世界」 ⇒2021/04/30
スターライト
11
パロディというと個人的には原点に敬意を表しながらも、作者がユーモアたっぷりに仕上げた作品のイメージがあった。たしかにそんな作品もあるが、中には笑えないものや原典を素材としてうまく料理した逸品に仕立て上げるものもある。本書にはそのショウケースともいうべき１１篇が収められている。冒頭の「スーパーマン症候群」は最後の一ひねりで作者の技量を示し、「ホーカミの群れ」は抱腹絶倒の作品。中でも個人的には、「好色な神へのささげ物」が目を惹いた。初期のパルプ雑誌に乱舞する裸女を考察した（？）痛烈で異色のエッセイ。2018/09/21
