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内容説明
「スイスの高原で出会った濃い紫の色、いったい何という名だろう?ふと見れば茎の切り口から白い汁が出ている、これはキキョウ科かも…」という具合に、未知の野草の名を知るためには目の付け所が肝心です。分厚い検策図鑑を買ってきても、さてどう引いたらよいかと、とまどった経験はありませんか?本書は、これから初めて野草と知り合いになりたいと思う人のために、随筆風に書かれた手ごろな道案内といえましょう。
目次
第1章 花の形態学
第2章 野草の博物誌
第3章 野草の分類学
第4章 飯沼慾斎と草木図説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mマジパン
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大昔に買った本(1989年初版)。著者はかの日本植物学の泰斗牧野富太郎(1852-1957)に師事した人で、本文中にリスペクトがあふれている。さらに挿絵の大部分は江戸末期の本草学者飯沼慾斎の「草木図説」からとった手書きの白黒の絵だ。しかし、侮ってはいけない。植物の特徴を平易に言い表したり、画像で表現したりすることは難しいが、それらを実現した上で、彼らの逸話や絵は無類に面白い。現在、多数出版されている植物のガイドブックが、今一つと感じるのはその“面白さ”を伝える力が足りないためだと思う。2020/04/29