出版社内容情報
【内容紹介】
日本人の起源は永遠の謎である。日本は古来文化のルツボであった、流れこむばかりでそこから出て行くことのない――。このルツボのうちそとの謎に、多くの先人が、果敢に挑み、先住民説・原人説・混血説などを説いた。本書は発掘物・言語など豊なデータをもとに、精密な推理を進め、江南要素を重視する。
〈日本人の起源に関する諸説〉歴史的にみると、まず、日本島には日本人以前に先住民がいたという、先住民論があり、その先住民がいかなるものであったかをめぐって、アイヌ説・プレアイヌ説・コロボックル説などがあらわれた。さらに日本人混血説をへて、ナショナリズムとのからみあいもあって、日本島には最初から日本人がいたとする日本原人論があらわれた。最近になって騎馬民族征服説なども出されたが、もちろんこの世界には、確たる定説はない。化石人骨・血液型・言語・石器・土器・各種の道具、そして稲作の問題など複雑なファクターを比較検討しながら、本書では、日本人の祖型には江南要素が濃厚であると結論する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
39
この本も現在で考えると割と昔になってしまうので、今の説では色々と変わってくるのでしょうな。まあ、明確な答えはどんな発見があってもでないでしょうからねえ。でもそういう日本人の起源的なことの基本がつかめるので(それを知らないと正直話にならない)読んで意味のある本だと言えます。2013/03/22
佐島楓
25
日本人のルーツを考古学的に考察したもの。コロボックルが先住民だという説を唱えていた学者が存在していたことが面白く感じられた。この分野の研究はどんどん進んでいるので、最新の本も読んでみたい。2014/07/22
Kohei Fukada
1
今は本当に色んな事が研究されているのだなぁと感心しました。日本人のルーツ、日本語のルーツ、自分のルーツ…考えていくととても壮大なドラマが広がっていて、想像するだけで楽しくなりますね。2011/12/20