内容説明
狩野派を修めた幕府御用絵師の多賀朝湖は、将軍や公儀を揶揄する絵を描いたことで、三宅島へ流刑に科せられた。恩赦で十二年ぶりに江戸に戻った朝湖は名を英一蝶と改め、庶民をいたぶる悪党どもを密かに始末する別の顔を持つ。一蝶の護身の剣となり、裏始末で剛剣を振るう菊坂丈之介や女弟子の小波そして彫金師の宗〓(みん)。吉原界隈で暮らす彼らが、一蝶を陥れた黒幕の正体を知ったとき…。
著者等紹介
本庄慧一郎[ホンジョウケイイチロウ]
本名・望田市郎。東京に生まれる。劇作家・小沢不二夫氏、三好十郎氏に師事。演劇(戯曲・演出)を学ぶ。その後、民間放送で番組の脚本や構成台本を執筆。また、コピーライターとしては日本民間放送連盟賞をはじめ、海外の賞など百五十以上を受賞する。1991年、小説家に転身。各小説誌に精力的に作品を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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