内容説明
変わらない、坦々とした日々を生きる男。彼の唯一の楽しみは、月に一度の秘密の時間。だがある日の出来事が、平穏だけを求めていた彼の心を揺り動かす。読み終えたときに笑みが浮かぶ、大人のためのハートウォーミングストーリー。
著者等紹介
松田美智子[マツダミチコ]
山口県生まれ。作家。小説、ノンフィクション作品などを多数発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MOKIZAN
29
当世、ごくごくありふれた四十独身男の徒然記。これといって強く書き留めるようなこともなく、日々は過ぎる。それで出来上がった小説。でも、これが幸せな現実だようなあ、と思えてどこか安らぐように読み進み、終えた。他人を説くのに必要なのは肩書き、能書きではなく、その人のあり様だなあ、ということを強く感じさせてくれた。2017/04/12
野のこ
5
始めは暗いイメージの主人公だったし、正直自分の声が録音されるのは抵抗あるけど、素直でいい子供たちでラストはほろっとしました。ゆり子さんと上手くいってほしいな。ポニーテールにミニスカートはバブル!って感じだけれども。母が43歳の息子の入浴中に「シャンプーハットを買ってきたから、使いなさい。」はないな。2016/08/29
太陽
3
プロパンガスの配送員をしている40代バツイチ男の配送先での交流を描いたハートウォーミングストーリー。と書くと安っぽく見えますが、なかなかの佳作だと思います。初めはひたすら地味な日常なのですが、中盤あたりからじわじわ効いてきます。ラストには思わず涙。2009/10/02
あつひめ
3
何だ?日常生活の話か?って…なかなかページが進まなかったけど。声の温度…鳥や人の温もりを集めているような…どんどん話に引き込まれてしまいました。忘れたくない声…私にもあります。2009/01/31
フリージア
2
プロパンガスボンベの配達と交換を仕事とする主人公。離婚歴のある40代独身。配達先家庭の人々との関わり。ほろ苦いもの、温かいもの。お客さまとのやりとりをボイスレコーダーに録りためたもの、その中のある女性の声は今は聞くことができないある家庭の子どもたちの母親の声だった。2016/11/24