内容説明
占領下の新宿。特攻くずれの城山龍治は彼を慕う血気にはやる若者に担がれ、城山組をたちあげる。新宿へと流れ着いた生娘・岡崎百合子は伝統ある博徒・館岡組に身を寄せ、その恩義から親分の澤村との結婚を決意。それは館岡組と城山組が一触即発の状況に陥ったために、一目惚れをした城山への想いを断ち切るためでもあった。そのさなか、日夜強姦を繰り返す米兵の魔の手が百合子に。そこに現れたのは、美貌の朝鮮人・林敬元だった。城山、百合子、そして林。運命の歯車はさらに加速していく―。ストーリーテラー花村萬月が紡ぐ波瀾万丈の物語。
著者等紹介
花村萬月[ハナムラマンゲツ]
1955年東京生まれ。89年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。『ブルース』で一躍脚光を浴び、98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、同年大長編「王国記」シリーズの序にあたる「ゲルマニウムの夜」で第119回芥川賞を受賞。人間の本性を抉る作品を描き続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
24
修羅・嵐・ワルツ。。性獣と化した3人のGIに立ち向かう林敬元、命を丁にはる城山龍治、脳髄を失った貸元に寄り添う岡崎百合子。そして、3人で3拍子にもならない舞台に立つ。息苦しいような展開だ。花村萬月が描く愛は何故こんなにもくるおしくも愛しいのだろうか。下巻へ。どんな展開が待っているのだろうか。2013/10/10
ツカモトカネユキ
5
上巻より。1997年から2001年にかけて連載された小説。城山組の発足、米兵との対決、館岡組長襲撃と物語は盛り上がりを見せます。一途さの表現だと思いますが館岡組組長と百合子のやりとり、林の心境の移り変わりは初々しすぎて少し違和感を覚えます。博奕の在り様も詳しく解説されていますが、冗長気味。主要人物が皆一途すぎて、振り回される様は、作者特有の苛烈な性と暴力のシーンとの対比が大きいです。表題ワルツの件は、ここでは上手くいきません。最終巻では、どのように調和を見せるか。また、どのように治るのか。下巻に続きます。2023/02/13
~
4
指を食いちぎる 小平事件 林と寝る2014/05/29
ophiuchi
2
セックスや暴力の場面でも、普通に読めてしまうようになった自分が怖い・・・2010/10/04
mitsuru1
2
作者得意の性と暴力の物語、ますます快調。2009/02/13