出版社内容情報
アルゼンチンから日本へ。波乱の道を歩んだ女優の半生を描く大河小説。
タンゴの情熱的な音色が響く20世紀初頭のブエノスアイレスから神戸、そして東京へ――。日本人移民として生まれ育ち、やがて女優として大輪の花を咲かせたツキコの波乱の半生を描く大河ドラマ。今秋、舞台化決定!
内容説明
父の突然の訃報、ただ一人残された肉親、弟の眞一郎との強い絆、幾多の激しい恋、演劇との出会いと心血を注いで作り上げたみずからの舞台…。タンゴが響きわたる20世紀初頭のブエノスアイレスから、神戸、東京、そして満州へ―。日本人移民としてアルゼンチンに育ち、女優として大輪の花を咲かせたツキコの軌跡を、ドラマティックに描く傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
25
森光子さん&東山紀之さんで舞台化された作品。帯の写真が読む前からそれぞれの役どころに森さん、東山さんを当てはめてしまって…自分なりのイメージを思い描くのが難しくて残念。激動の時代の女優ツキコ。ものすごく努力家…だからこそその手で運を掴むのか。ただ、とっても家族運には恵まれないようで終戦を迎えたときには一人ぼっち。たくさんの人に優しさのおすそ分けをしていたから、本当の一人ぼっちじゃないにしても、やはり家族がいないのは寂しい。舞台の輝かしい姿の裏側にはそんな切ない心を抱えている生まれ持っての女優さん。2011/05/31
お静
10
ブエノスアイレスの月の下でタンゴを踊った時の父の言葉を支えにツキコは日本で女優をして生きていく。 たった一人の肉親の弟をいつも思いやり大正から昭和の時代が生みだす生きにくさが背景にある。 最後はあっけないが面白くどんどん読んでしまった。 2017/05/23
ちりとてhello
0
初伊集院静。雑誌のエッセーしか読んだことなかったから、なんていい加減なだらしない人だろうと思っていた。文章は簡潔,物語は壮大。数々の美女と浮名を流していらっしゃるから女心をしっかりおわかりかと思ったら、意外とそうでもない。男の作家が書く女は、女から見ると不自然なことが多い。。どうして解説をヒガシ?と思ったらそういうことだったのね。2015/10/02
あきこ
0
アルゼンチンで孤児となった姉弟の物語。父と月夜に踊ったタンゴを忘れまいと生きて女優になった姉、姉を慕いダンサーになる夢を無念にも断ち切られた弟。時代は太平洋戦争へと進み、満州で終戦、帰国して再び女優に戻っていく姿が描かれているが、何となく陳腐な登場人物や時代背景からの境遇の物足りなさなどもあり、伊集院作品としては△といったところか?2013/01/08
miyukix
0
舞台化が前提の話だからかな、人物の心理描写がほとんどないように感じられた。すごく展開も速いし。ちょっと物足りなくて、もったいない。2011/10/20