内容説明
島村桂悟、39歳。バツイチ。かつてはミュージシャンとして人気を集めていたが、今は、海辺の町で小さな音楽スタジオを経営して暮らしている。ふとしたきっかけで知り合った女子大生・礼子と惰性でつき合ってはいるが、夢も恋愛も自分の人生にはもう関係ないことだと割り切っている。そんな桂悟が、33歳のバツイチ、裕美と出会う―。ある事情から、捨ててしまったミュージシャンへの夢を取り戻そうとする裕美。彼女の必死な姿に、人生を諦めていたはずの桂悟の心は大きく揺さぶられる―。30代、40代の「木もれ陽世代」の大人たちに、忘れかけていた何かを思い出させる、希望に満ちたニュータイプ青春小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
acidrain
5
自分にとって久しぶりの良本。主人公が羨ましい。自分もドラマーだからニヤニヤしてしまうところもある。内容はアラフォーだけど純愛ものだと思う。それがきっかけで何もかもドライな主人公が変わる過程も良い。文章も読みやすいし、作中の曲も知らないのが多いけどWe're All Alone聴きながら読んで雰囲気も味わった。彼らの演奏が聴いてみたい。比々木のさりげなくテクニックを使うベースとか。ただ、木漏れ陽世代って検索かけてもでてこないのでどういう意味かわからなかった。音楽っていいなと思える作品で本当に良かった。2014/07/25
権蔵
3
主人公の年齢に近いせいか、感情移入して一気読み。いくつになっても今が一番‼と言える人生を歩きたい。クールよりもホットに生きたいものです。2014/05/17
moonglow
3
読んでいる間、時間の流れが緩やかだった。『確かに、もう若くはない。・・・けれど、まだ、走ることをやめるほど、くたびれていないのではないか・・・。』この一節が染み込んでくる。茅ヶ崎や七里ヶ浜を舞台にした、喜多嶋ワールドをほどよく堪能できる作品。Am7のくだりもさり気なく良い。2013/02/03
サポ太郎
2
引退した元プロのドラマー、現在は音楽スタジオ経営のバツイチアラフォー男性とフロアクリーニング屋を営むこれまたバツイチのアラサー女性の恋愛ストーリー。熱いというより穏やかに緩やかに惹かれあっていく描写が大人の恋愛の雰囲気が出てる。メイン二人よりセフレの礼子のその後が気になる。幸せになれたのだろうか。2017/09/14
いが栗坊主
2
題名だけで図書館から借りてきたけど、良本ですわ。すらすら読めるし、心理描写の流れ方が非常にうまく描いてます。ほんま、「もう若くはないけれど」の年齢のかたは共感できる作品やわ。2013/09/01