内容説明
絵が得意だった少年時代、南方へ赴いた従軍時代、復員後の紙芝居、貸本漫画家時代を経て、商業誌デビュー、そして人気漫画家へ…今なお現役にして日本漫画界の驚異、水木しげるの代表作を年代的に網羅。少年時代に描いた幻の創作童話絵本や、今では読めない名作の数々も収録。水木ファン、妖怪ファン必携の、米寿記念作品集。
目次
第１章 テーノーと呼ばれて―落第生の頃
第２章 軍隊はコッケイなところだった―二等兵の頃
第３章 金がないから散歩ばかりしていた―紙芝居の頃
第４章 ふくふくまんじゅうが生き甲斐だった―貸本漫画の頃
第５章 奇妙な人がやけに多かった―「ガロ」の頃
第６章 妖怪イソガシに追い回されて―「マガジン」「サンデー」の頃
第７章 漫画はオモチロくなければイカン―青年漫画の頃
第８章 妖怪サンに描かされているんです―画業六十年をこえて
第９章 お化けを追いかけてシアワセになった―「怪‐ＫＷＡＩ‐」とともに
第１０章 幸福は八十を過ぎてからです―家族とともに、妖怪とともに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トムトム
30
テレビくん・墓場の鬼太郎・河童の三平・悪魔くんなど、代表的な水木作品が全部載っています。人生、過ぎてしまえばうたかたの夢。屁みたいなものなのでしょう。良い事も悪い事も、過ぎてしまえば屁！思い出や過去にとらわれない心境になるには、私はあと何年かかるのかしら。2021/06/21
№９
25
河童の三平や悪魔くんは昔、実写のテレビ版があった。白黒テレビで恐ろしくも食いついて見ていた。懐かしい。水木しげるの実兄と実弟の「あの頃の水木しげる」の回想が興味深い。また、結婚したてのころの仲睦まじいご夫婦の写真が胸キュンもの。第9章「お化けを追いかけてシアワセになった」の妖怪人類学も知的好奇心満載。「屁のような人生」のタイトルに惹かれて手にしたが、水木しげるの魅力が満載だった。2017/09/03
八百
16
好きな漫画家はたくさんいるが一番影響を受けたのはやはりこの人。生誕八十八年を記念して出版された本書はその分厚さに圧倒されるが大半が資料と漫画であって読み終えるのにさほど時はかからない。しかしながらその内容の濃ゆいこと…妖怪を愛しそして自らも大妖怪となった水木サンのクロニクル、それはやはり"Like A Rolling Stone" より "Let it be"なのであります。あるがままに生きた魂もきっと最後は屁のように肉体から抜けて大好きなお化けの世界に帰って行ったのでしょうね…ありがとうございました2016/01/25
tama
11
図書館本 書架でたまたま。水木さん亡くなって1か月後に出た本。漫画・写真沢山。「テレビくん」初めて読んだ。こういうお話だったのかぁ。絵の写真多いがいつ頃書いたものか説明不足。恐らく中学の頃の水彩が物凄い絵。マガジン・サンデーの頃から細密背景になるんですね。私の就職前後、まだ頑張ってたガロで「忍法屁話」を読んだ記憶あり。こっちはカムイ伝目当てで買うのだがそこでいきなり「屁」に出会いびっくりしたものです。この本では排泄物関係は非常に抑制した編集になってます。2016/05/06
anne＠灯れ松明の火
11
返却棚で夫がみつけ、思わず、手に取り、借りてきた。表紙は、かわいらしい子どもの頃の写真と『屁のような人生』というスゴイタイトル！ 米寿記念にこのタイトル！(爆) 内容は、漫画だけでなく、文章（本人だけでなく、家族や友人など）もあるが、どれもおもしろくて、飛ばせない。朝の連ドラで出てきた『カッパの三平』『アクマくん』『テレビくん』なども読めて、ウレシカッタ♪ 水木先生、これからもお元気で、創作を続けてください！2011/07/07
