出版社内容情報
現代アメリカの病と心の真空をうつしとった傑作ファンタジー!アメリカでひっそりと暮らしていたギリシアやローマやヒンズーの神々が、現代の最新テクノロジーに最後の戦いを挑む。否応なしに巻き込まれたシャドウと、神々の運命は? 壮大なスケールで描く究極のファンタジー!
ニール・ゲイマン[ニールゲイマン]
著・文・その他
金原 瑞人[カネハラ ミズヒト]
翻訳
野沢 佳織[ノザワ カオリ]
翻訳
内容説明
アヌビスは葬儀屋に、ランプの精はタクシー運転手になった。テクノロジーが蔓延する社会で身を寄せ合う古の神々が今、動き出す。
著者等紹介
ゲイマン,ニール[ゲイマン,ニール][Gaiman,Neil]
イギリス生まれ。アメリカンコミック「サンドマン」の原作者としてあまりに有名。世界幻想文学大賞、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ブラム・ストーカー賞など数々の文学賞を総なめにする、今、もっとも注目される作家。ニューベリー賞も受賞
金原瑞人[カネハラミズヒト]
岡山市生まれ。法政大学教授。翻訳家。海外作品の紹介者として不動の人気を誇る
野沢佳織[ノザワカオリ]
東京生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
79
移民の国アメリカ。生まれた土地から遠く切り離され本来の力を失ってしまった世界各地の神々と、テレビの神インターネットの神といった新たに生み出された神々との最終決戦。かつては輝き怖れられていた神々がチープな存在になり、人間の姿を借りて細々と生きている様はなんともアイロニカルだ。だが、古い神々が新たな神々に追いやられているのは、なにもアメリカに限った話ではない。2019/11/04
榊原 香織
61
上下巻の下。 アメリカでは神々もビックマックを食べるのか。 長いダークファンタジー本編はそこそこだったのだが、最終章が凄く面白かった。モノクロフィルムがそこだけカラーになるような。 世界樹ユグドラシルに住んでいるリスはラタトスクて言うのですね2024/04/24
ちえ
44
下巻に入り加速度的に面白くなる。ファンタジーの中にミステリ要素やロードノベル風でもあり。一つ一つの伏線がきちんと回収されるのも良い。最後はマジックがとけ夢から覚めたようで何とも言えない気持ちに。エピローグは寂しいような清々しいような。期待以上に満足な読後感。巻末のリストを何度も読みながら、子供向きの北欧神話やギリシャ神話に夢中になっていたことを思い出す。◆ガーディアン10002022/04/18
Willie the Wildcat
36
歴史が紐解く、心の拠り所の発祥と傾倒の過程。希望、欲求、憧憬の根底に見え隠れする不安、恐怖、焦燥。故に、時に”信”を確かめたいのは、人も神・妖精も同じかもしれない。但し、心底の信心は不変。結果、信を問う生贄(主人公)の齎す無と愛が、「死から智を得る」歴史を踏襲を許さなかった印象。一方、「代償」。真実に向き合う主人公の代償が、新世界変遷への代償を暗喩。だから”土地”であり、コイントリックではなかろうか・・・。私見ですが、北欧の妖精ならトムテなんだけどなぁ。(笑)2015/06/21
MATHILDA&LEON
28
【英ガーディアン紙が選ぶ必読小説38-Ⅱ/1000】下巻に入り、神々に翻弄される主人公に襲いくる様々な試練。怒涛の展開に圧倒され続けた。色々な人物が登場するので多少混乱するが、読み終わってみれば実に面白い作品であったと感じる。最後に神々の説明書きがされていて、興味深かった。2017/08/04