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新人物文庫
武士の人事評価

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  • サイズ 文庫判/ページ数 207p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784046010360
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0121

内容説明

賄賂全盛の田沼政治の後を受けて老中首座として政権を担った松平定信は、江戸城内や江戸市中での幕府役人・旗本・町人らの発言や話などを集めさせた。それを書き留めたのが『よしの冊子』である。本書は、『よしの冊子』の文章を紹介しながら、権力者であった老中や役人たちの行動や評判を紹介する。

目次

第1章 政権交代―松平定信と田沼意次
第2章 老中たちの評判
第3章 幕閣大名の生態
第4章 町奉行の勤務ぶり
第5章 勘定奉行と勘定所役人
第6章 江戸の機動隊、火付盗賊改

著者等紹介

山本博文[ヤマモトヒロフミ]
昭和32年、岡山県生まれ。東京大学文学部国史学科卒。同大学院修了。文学博士。東京大学史料編纂所教授。専門は日本近世史。平成4年、『江戸お留守居役の日記』により第40回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。テレビやラジオの歴史番組にも出演し、時代考証も手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

maito/まいと

19
江戸時代後期。幕閣や奉行に対する町人の評判は、意外と実態から外れていなかった!まるで町人による通信簿のようなことが記されている『よしの冊子』。これを中心に、江戸時代の役人の実態を分析解説した1冊。評判良かったのに、たった一回の失態で罰を受けた若年寄を惜しんだり、「あいつは何してもダメだな」と見切られている殿様など、リアルな評価が非常におもしろい。江戸の町人は役人と距離が近く、噂好きで見る目があったのだろう。もっとも彼らは(当初は)評価していた松平定信を、最後は低評価へ突き落とす。民衆は気まぐれで厳しい。2019/11/25

ぺぱごじら

16
実直でどこか融通の利かないくそ真面目な老中・松平定信公は、ちょっとイジってみたいキャラクタかもしれない。この方が本当に四角四面の堅物だったのか『清濁合わせ呑みすぎた』田沼意次公(剣客商売では名君扱い!)の後を継いだ手前そうならざるを得なかったのかは不明だけど、後世に当時が偲ばれるものを置いていったのがこの本。肩肘はって道理を通そうとするあまり物事を停滞させる若老中もいるかと思えば『亀の甲より年の功』というだけのことはある老獪な老中がいたり、当時から出世観も様々だと教えてくれたりする面白本。2015-322015/03/02

えぬ氏もわるよのぉ

6
松平定信が噂話を家来に集めさせたのが『よしの冊子』だそうな。定信自身のうわさも載っているがどのように感じたのだろうか。田沼意次は後世、賄賂政治家と散々にけなされるほどの悪人ではなかったようで気の毒である。小説やドラマで有名な長谷川平蔵は、それらより自己顕示欲や出世欲が強い人物だったようだ。2021/01/12

めぐみこ

5
寛政の改革で有名な松平定信が、密かに集めさせた役人・旗本・町人らの発言や日常の報告書、『よしの冊子』。なんとも恐ろしい閻魔帳があったもの、上司の愚痴を本人に把握されてる事実に震える。一方、長谷川平蔵や根岸鎮衛ら、時代劇でお馴染みの名が出てくるとテンション上がる。覚えのない名前でも、杓子定規だったり虎の威を借る狐だったり機転がきいたり気弱だったり。現代でもあるあるな人物評に、二百年以上前の人たちが、なんだか身近に思えてきた。2021/03/22

ろい

1
『よしの冊子』を読み解くことでその当時の老中から市井に至るまでの声を分析・解説した一冊。 解説よりも、もとの『よしの冊子』に口語体がふんだんに使われ、今でもそのまま読めることに驚き。言語って二三百年では意外に変わらないもんなんだなぁ。2015/05/26

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