角川文庫<br> この腕がつきるまで―打撃投手、もう一人のエースたちの物語

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角川文庫
この腕がつきるまで―打撃投手、もう一人のエースたちの物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043944873
  • NDC分類 783.7
  • Cコード C0195

出版社内容情報

打撃投手。”影のエースたち”が魅せる、プロの矜持と生き様!!

日本にしか存在しない職業、打撃投手。イチロー、松井秀喜、清原和博、王貞治、長嶋茂雄……プロ野球に輝く大打者の記録、そしてチームの栄光。全ては彼らと共につくられた!!喝采なきマウンドに立つ、男達のドラマ。

内容説明

喝采なきマウンドに男たちのドラマがあった。自らの栄光でなく、チームのためにひたすら投げ続けるもう一人の「エース」―人はそれを打撃投手と呼ぶ。「日本の練習時間の長さ」という特殊事情が生んだ、日本にしかない職業。イチロー、松井秀喜、清原和博、王貞治、長嶋茂雄…プロ野球に輝く大打者の記録、そしてチームの栄光。すべては彼らと共につくられた!プロを貫く“選手たち”の矜持と生き様を描いた傑作ノンフィクション。

目次

第1章 打撃投手誕生(海外と日本の打撃投手事情;打撃投手の歴史)
第2章 王、長嶋の恋人と呼ばれた男たち(大打者には必ず専属の打撃投手がいる;打撃投手一号―近藤隆正 ほか)
第3章 甲子園の怪物だった男たち―現代に生きる打撃投手1(天才前田智徳を支える男;エースナンバーは103番―阪神タイガース・藤本修二 ほか)
第4章 ドラフト一位だった男たち―現代に生きる打撃投手2(どんな形であれボールを握っていたい;いてまえ打線を支えた男―近鉄バファローズ・石本貴昭 ほか)

著者等紹介

澤宮優[サワミヤユウ]
1964年熊本県生まれ。ノンフィクション作家。青山学院大学文学部卒業、早稲田大学第二文学部卒業後、大学に勤務しながら執筆活動に入る。2009年より専業作家に。『巨人軍最強の捕手』(晶文社)で第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

thee birdmen

20
ひたすらストライクを投げ続けて、気持ちよく打たれることを仕事にする。世界中で日本にしかいないという打撃投手の生き様を描いた本です。ストライクが入らなければ解雇・タイミングが合わなければ打ち損じが増え打者は調子を崩す・打ち取りたいという投手の本能が理性の邪魔をするなどなど、プロの世界で活躍を夢見た男たちが夢に敗れ、打撃投手という職人になるための苦悩がヒシヒシと伝わってきます。葛藤と抵抗感の果てに彼らがたどり着いた境地が面白いです。光と影がある限り、影の働き無くして光はありません。たとえ脚光を浴びなくてもね。2016/03/12

緋莢

15
王、長嶋、落合ら大打者に欠かせない存在である「打撃投手」。専門的な打撃投手は日本にしかいないようです(アメリカはコーチが投げる)。王、長嶋の打撃投手をつとめてきた人々や、甲子園で活躍、ドラフト1位から打撃投手になった人々について書いています。<チームプレーに徹して巨人が勝つためには、大の虫を活かして 小の虫を殺さねばならない>、<「打撃投手は打者のタイミングに合わせますから、ボールを放つ位置 リリースポイントが早くなってしまうのです(続く2019/03/01

こたろう

10
打撃投手という裏方に徹した人たちの葛藤と誇りを追ったノンフィクション。甲子園やプロの一軍で活躍した過去の華やかな実績やプライドを捨て、打たせるためにひたすら投げる。投手として上を目指す気持ちと葛藤しながら、裏方としてチームを支えることを誇りに。投手としてマウンドに立っていた時とは求められるものが違う。バッターの要求するところへ投げ続ける技術。どういう立場になってもボールを投げ続けたいという、野球に対する強い気持ちが全編を通して見えた。2011/12/04

Ikuto Nagura

7
日本にしかない(初めて知った)打撃投手という裏方を歩む男たちのノンフィクション。打撃投手だから分かる打者の好不調、一二軍の壁。「ニャンコよ、君に似合っているのはやっぱりグリーンの貧乏球団の、あの南海のユニフォームや。あれが君の姿そのものだったんや」筆者のパリーグファンらしい南海への愛情のせいか、藤本修二の話が一番面白かった。「穣さん(山本穣南海ブルペン捕手)と立場は違っても、自分が現役のときに裏方さんにやってもらったことを、今自分ができることで選手に返してやればいいわけや」かつてのエースの謙虚な姿に感動。2014/07/03

YOS1968

7
来る日も来る日も100球以上を投げ、裏方としてチームの勝利に貢献する過酷な労働。決して日の当たることのない役割を果たす男達はは、かつての甲子園のヒーローだったり、関西球団のエースであったり、2年連続の最優秀救援投手だったりする。投手の本能である、いかにして打者を抑えるかではなく、いかにして気持ちよく打ってもらえるかに自分の気持ちを変えなければならない苦悩。プロ野球人生の悲喜こもごもが交錯する。面白いノンフィクションであった。2011/10/29

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