角川文庫<br> 海峡―この水の無明(むみょう)の真秀(まほ)ろば

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角川文庫
海峡―この水の無明(むみょう)の真秀(まほ)ろば

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  • サイズ 文庫判/ページ数 192p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041376089
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

花やかな風貌,精悍な体躯に恵まれたAは、俳優になった。順調に俳優生活を続け、俳優業がこれから地に着き、拓けはじめようとした矢先、Aは生地の国へ帰り、山奥の病院へ入った。Aは完全にこちら側の人間ではなくなった、「この海峡を渡らなきゃァな。渡ってむこう岸へ着かなきゃ、出世ができない。餓鬼の頃、海峡を見るたびにそう思ったものさ」と下の盆地を眺めていう。ここにも、そこにも海峡がある。青い海色の遊び着きて、うなじのうしろに野性の馬が疾駆する地ひびきを飼いながら、思いつくままに、海峡を語る幻視行。第12回泉鏡花賞受賞作品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

52
夢、水中花、小野小町、溺死者、血天井、歌舞伎…赤江世界を彩る様々な事柄についての随筆だが、それがいつしかこの世ならぬ世界に通じていく様はまさに幻想小説。ここでの海峡は現実の関門海峡であると同時に、二つの世界を隔てるものであり、またその二つを繋ぐ狭い通路でもある。特に「破片E 海は海人のように」は個人的に著者の最高傑作の一つと考えている「海贄考」の作品ノートであると同時に、海に関する幻想文学の傑作でもあり、頁を捲るのがもどかしい程。赤江瀑の世界に魅せられた者だけでなく、幻想文学の恍惚を知る人には必読です。2019/06/18

メタボン

28
☆☆☆ 水色のインクにより綴られる海峡をめぐる断章。赤江瀑の世界観が良く表れている。小野小町、歌舞伎など、一見海峡とは無関係なものにまで思いを馳せており、そこがまた面白い。溺死者への対応が、地域によって、救出するもの、そのままにしておくもの、助け出すが食べてしまうものなど、死生観・宗教観の違いがあって、印象的だった。2022/01/11

pin

1
好き

shiaruvy

1
★コメントあとから [S61.10.25 初版] 青文字は斬新だが,クリーム色よりポケミスの黄色の紙が見易いかも..。

334300191

1
赤江瀑の世界全開!2013/03/08

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