角川文庫<br> オイディプスの刃

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角川文庫
オイディプスの刃

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  • サイズ 文庫判/ページ数 316p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041376034
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おすし

23
妖刀とラベンダーの香り…男女の色恋が芯にある物語なのになんだか男の色香濃厚な物語だったわぁ…。BLとはもちろん違うし、男色とかって下品さも無く。耽美に情景を描く地の文と、幼稚とも思えるような軽い会話文のギャップがなんだかセクシー。異母兄弟の為にそれぞれ違う方向にエディプスコンプレックスをこじらせた三兄弟の設定が秀逸。ミステリとしても伏線が最後にカチッとはまるカタルシス。主人公が最期に理解した真相が最初のあの言葉に繋がるのはゾクッとする。妖しげな余韻に浸る作品でした。2022/06/03

冬見

20
妖刀・備前次吉と疑惑の花・ラベンダーが引き起こした悲劇。真実はどこにあるのかと、追いかけ始めたが最後、刀に溺れ、濃密なラベンダーの香りに閉じ込められる。白昼夢のようだった。同時に、悲しいくらい現実だった。読んでいるうちにタイトルの不穏さに気付き、嫌な予感がしていたが、最後まで読んで、ああ、と。2018/02/01

びっぐすとん

15
図書館本。以前アンソロジーで読んだ作品が良かったので読んでみたが、うーん、これはあまり自分の好みではなかった。図書館の本が古すぎて読みにくいのも一因かもしれないが。作品が書かれた時代の雰囲気なのか、確かに日本刀や香水に魅せられるところや美しい母と美男の研師の愛、異母兄弟の母を廻る確執など耽美的要素は興味をそそるが、ややクドイし、結末も予想通り。まさにギリシア悲劇のようだ。そもそも父親が咄嗟に罪を被って自殺というのが疑問だし、警察も騙されるかな?もう少し幻想的な作品を読んでみようかな?2019/10/07

wm_09

7
題が簡潔に本作品を表している。三人の兄弟それぞれのオイディプス的思慕が、見るものを魅了する魔の日本刀と結び付いた時に起こる血の惨劇。登場人物致死率90%だが、美しすぎる風景のせいでそれを忘れてしまうほど。最後の情景もこれまた見事としか云いようがなく、和製オイディプスの完成を見たような気がした。(ローウェル嬢)2010/02/24

美東

5
『赤江瀑の世界』刊行記念 伝説の傑作『オイディプスの刃』冒頭公開 Web河出 https://web.kawade.co.jp/bungei/3685/

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