内容説明
妄想にとりつかれた狂人が権力を握った時、ボルジア家の血で血を洗う悲劇が幕をあけた(『ボルジア家の毒薬』より)。第一次大戦で全ヨーロッパの人々を愕然とさせた美女スパイ、マタ・ハリの娘が20年後、第二次大戦で謀報活動を始めたが…(『マタ・ハリ嬢の復活』より)。アマゾンの奥地で探険隊が見たのは1メートルもある甲虫や3メートルもある巨人だった。これは幻覚なのか?(『ビキニの白髪鬼』より)。史実をもとに人間の中に潜む狂気と悲哀を描いた短編六作品を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
21
短編6本収録。ページ数が多いわけでもないのに、読むのに時間がかかってしもた。うちが世界史苦手、興味薄のせいかも。それぞれ、史実や大昔の文学をベースに高木センセがミステリ風味、怪奇風味、冒険風味を盛った感じ。正直なところ「お気に入り」はないんやけど、「マタ・ハリ嬢の復活」は比較的前のめり気味で読んだかな?第一次世界大戦中の有名な女性スパイ、マタ・ハリ。生き別れた娘もまた、第二次世界大戦中にスパイ活動をすることに…。2人の女性のドラマティックな最期が印象深い。が!高木センセにしか描けない感は少ないかも(苦笑)2022/11/29
madhatter
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再読。歴史推理と冒険ものを収めた作品集だが…正直あまり面白くない。プロットやトリックに光るものはないし、古い作品であることもあって、歴史に対する解釈が表面的と言うか、通り一遍と言うか、魅力が感じられない。例えばチェザーレ(本書ではシーザーと表記)・ボルジアの扱いにしても、「親の七光り」だけで全て説明するのはいかがなものか。それを言うならガンディア公だってそうだし、彼はそれを浪費しただけとも取れないか…?2011/12/04