内容説明
薩摩藩主島津斉彬は16の時に薩摩の世子として将軍へお目見えをすませ、長じて賢名が天下に聞え、老中阿部正弘や水戸斉昭などに尊敬されていた人物であったが、40になっても部屋住みであった。前藩主斉興がわが子ながら斉彬をきらっていたからであった。折からペリーが軍艦7隻を率いて開国をせまり、日本の近海に欧米の船がしきりに出没し始め、斉彬の才を必要とした老中阿部正弘は強引に斉興を隠居させ斉彬を襲封させた。西郷吉之助はこの斉彬によって見いだされ育てられたのであった。
感想・レビュー
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レアル
58
斉興の時代より物語が始まる。とはいえページ数の初めの頃に隠居し斉彬にバトンタッチ。そしてこの巻は安政の大獄が始まる辺りで終了している。藩主斉彬を君主であり恩師でありと慕う西郷。ペリー来航。条約調印による日本としての屈辱。14巻あるので忘れないように時代別にノートに書き写し読んだ。斉彬の死の部分では「あれは毒殺ではないかと思っている」なんて自分の推察を入れたり、また違う箇所では「嘘のような話だが私は状況証拠をもっている」等、史実に忠実に描かれている部分も有難いところ。次の大河ドラマが始まる前に読み終えたい。2017/08/08