出版社内容情報
夏の終りにやってきたレノルズという流れ者が、冬の間三人姉妹に語る、幽霊に恋をした若者たちの話七編。 小学校高学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
104
流れ者のレノルズさんが、下宿先の三人姉妹に語って聞かせる不思議なお話。英国やスコットランドの民話をベースとした、幽霊や妖精とのラブストーリーだ。切なかったりほのぼのとしていたり、少女達への教訓も込められている。レノルズさん、世間を知り尽くしたおじさんだと思っていたら、意外と若いらしい。なんとなくスナフキンをイメージした。2017/08/19
りるふぃー
14
『1年のうちで、季節の変わり目や、はじまりや終わりの時などは、時の流れに裂け目ができる…その裂け目をすりぬけて、ありとあらゆる奇妙なものがやってくるのさ…国中至る所に、人通りの多い道から少し離れれば、ひとりぼっちで砂漠に迷い込んでしまったような気になる場所がある』日本でいうと、神社とか、千と千尋の物語のように、目に見えない不思議な世界があるんだということを世界中の人は感じている。こわいけどそっと覗いてみたくなる不思議な世界。かなりツボな物語でした! 2020/04/13
ゆり
10
宿屋の三姉妹に流れの旅人レノルズさんが語る、人と不思議の存在の交流譚。優しくて素朴な民話調のラブストーリーが心地よかったです。思っていたより幸せなお話が多かったのも良かった。そうはいっても切なく胸が締め付けられるようなお話こそ深い余韻が残るのですが。『こわいもの知らずの少女』と『チェリー』がお気に入り。『最後のお話』はその後どうなるんだろう。ベッキーたちとレノルズさん彼ら自身の物語もちょっと気になりました。佐竹美保さんの挿絵が素敵です。2016/12/24
joyjoy
7
流れ者のレノルズさんが、冬の間に宿屋の三姉妹に語ってくれる不思議なお話の数々。最初の「こわいもの知らずの少女」、しっかり者のプリスが小気味よくて楽しく、惹きこまれる。続くお話も、みなちょっと怪しく、でもロマンチックで、ハラハラもしながら楽しめた。子どもの頃だったら、もっと夢中になって繰り返し読んだだろうな。宿屋の長女ベッキー、大人になっていく不安と期待とに揺れる彼女のこれからが気になるラストもよかった。佐竹美保さんの絵も素敵。2022/02/22
野火*
7
不思議な流れ者レノルズから語られる、いくつかの幽霊たちの恋物語。英国の片田舎の柔らかな雰囲気が滲む好い本だと思います。2020/06/27