出版社内容情報
【文学/日本文学評論随筆その他】どうせなら笑って旅立とうじゃあないか! 世界に先駆けた遅老遅死の老人国・日本には「笑い」で死を乗り越えんとする江戸時代以来の「粋な」葬送文化があり、その系譜は新しい葬儀のかたちとして現代に息づく。気鋭の老人学者が新しい「死に方の哲学」を提示。
小向敦子[コムカイアツコ]
著・文・その他
内容説明
どうせ逝くなら笑いとふたり、笑いころげてスルリッとあちらへ。誰もが避けて通れない老い、そして死に対して、「笑い」という作用はどれほど有効か。歴史をひもとき、江戸にまなび、最新の葬送事情を取材しつつ明らかにしていく。笑いこそは、死という不条理に我々が一矢報いることのできる唯一の行為だからだ。気鋭の老年学者による新しい「死に方の哲学」。
目次
第1章 怪しい葬式
第2章 江戸と東京の相似点
第3章 死のショーアップ
第4章 死と戯れる笑い
第5章 笑ってこそ成仏できる
第6章 様変わりする葬送
第7章 明るく賑やかな自分送り
第8章 死と笑いを学ぶ
第9章 長寿時代の死ぬ力
著者等紹介
小向敦子[コムカイアツコ]
高千穂大学人間科学部教授。米イリノイ大学(シカゴ校)で心理学部(専攻)、アジア研究学部(副専攻)を学び、同大学院教育学研究科博士課程修了。授業では「老年学」、ゼミでは「笑い学」に取り組み、シニアとユーモアを研究の中心に置いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuko
6
葬式から死を考える。 老いと死を抱えて、人間がどう生き、死んでいくかのカギとなるのは “笑い” 「死に臨んでの笑い」をテーマとし、「ボケて死ぬ」のではなく「死ぬ前にボケをかます」(p4)との著者の目論見通り、真面目でそして笑える一冊。 日本における生前葬の歴史は極めて長く「逆修」と呼ばれて古くから行われていた葬儀の形だそうだ。 Newly Wed! もとい Newly Dead! ならぬ Nearly Dead! (So What?) (p150) 2018/11/06
舟江
5
久振りに読みごたえのある本に当たった。シニア世代の方、全員に読んで欲しい。第1章は、鶴屋南北の葬儀が書かれており、時代のギャップからか素直に受け止められなかった。しかし「シニア期とは逆境に出会う時期である。逆境に出会わない事が幸福なのではなく、逆境を乗り越える能力を身につけておくことで、幸せになれる。」2018/08/26
Amy
3
ところさんの番組で紹介されていたお葬式にまつわる色々が書かれている。スペースシャトルで打ち上げられる宇宙葬、バルーン宇宙葬なども紹介さえており、興味深い。2021/01/10
Inzaghico
3
第3章「死のショーアップ」では、国内外の著名人がセルフ・プロデュースした葬式のあれこれを紹介している。時間にルーズなことで有名だったエリザベス・テイラーは、自分の葬式も15分遅れだったそうだ(笑)。これはもちろんテイラーの指示だった。そして、立川談志は自分で「立川雲黒斎家元勝手居士」(よい子の皆さんは声に出して読まないように)とつけ、葬儀時に流す音楽はジャズの『That's a Plenty』を指定した。 2018/08/30
みのにゃー
3
すごい葬式=すごくお金をかける葬式、ではない。自分で自分の葬式をプロデュースする、わくわく。ウェディングプランナーみたいにエンディングプランナーも一般的になるかも。「”何で死んだ”や”死なないで欲しかった”よりも ”お前といて楽しかった”」と思ってもらえたら。後は火葬でなく土に還れたら幸せだなぁと思った。2018/08/12