出版社内容情報
【社会科学/社会】相手の立場を察して論破しない。この日本的コミュニケーションが、今のグローバル化時代にこそ価値を増す!「自己主張」が欧米と異なる理由、対決しない心を作る日本語の構造など、心理学博士の著者がさまざまな事例を挙げて日本人の美質を解明する。
内容説明
相手の立場に配慮する「思いやりの心」この奥ゆかしさこそ、世界に誇るべき日本精神の真髄だ!「自己」を強く押し出す欧米文化。謙虚さを美徳とする日本文化―。その背後にある心理メカニズムは?人気心理学者が、日本の美点を解き明かす。
目次
1部 私たちが見失ったもの(「抑制の美」を忘れたクレーマーたち;節度なき風潮―欧米流の自己主張)
2部 日本人の心の品格(日本文化に根づく「対決しない心」;つつましさと思いやりの美徳;日本人の心は日本語でつくられる)
著者等紹介
榎本博明[エノモトヒロアキ]
1955年東京都生まれ。心理学博士。東京大学教育心理学科卒。東芝の市場調査課勤務後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授などを経て現在、MP人間科学研究所代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mint
6
文化に合ったコミュニケーションが大事だということらしい。日本のやり方にもいいところはある。それを大切にして、もうちょっと日本人らしく控えめにしてみるのも悪くないと思った。2014/07/14
コービー
2
一言でいうと「日本人は他者との関係性を重視している。そのため自己主張よりも相手を思いやる言動が適切だ。けれど、グローバル化と日本の文化が混同してギクシャクしてしまっている」という内容の本です。話は違いますが、ユーチューブでは最近一般の人達が好きなことをしたり話したりしています。ですが、それを見た子どもは「こんな風に自由に行動して話したいことを言っていいんだな」と思いがちな気がしました。対話というより一方的に話すことが当たり前だと感じるのは少し危ないかもと思いました。2020/09/15
Ⓜ︎
2
本書を肯定すると時代の流れに逆らっているような後ろめたさを感じるが、まさに私の言いたいことだと思った。私はグローバル学部にいながらにしてグローバル化完全肯定でなく、昔からディベートが嫌いだ。未熟ゆえだろうがそんな人もいるから面白いのだと我ながら。著者と同じ考えで日本には日本の良さがあるのだから欧米流を強制するのは酷。もちろんグローバル化で生き残るためには不可欠だろうしいずれは必要だ。しかしそれでもいい、私と同じ意見に触れられ少し救われた気分。今までの人生は私や本書と真逆の意見にしか出会わず。強く生きよう2018/06/19
香菜子(かなこ・Kanako)
2
榎本博明先生の著書は何冊も読んでいますが、この本だけは共感できなかった。 日本人はディベートが苦手なのではなくて、日本人の価値観としてディベートが嫌いだという結論。 たとえそうだとしても、日本人はディベートが苦手だという現実を放置してもダメだと思うんです。グローバルスタンダードでは、ディベートが必須。黙っていたら何も伝わらない。自分の意見はハッキリ言わなければ相手にもされません。 2017/03/08
noriyorino
2
ディベートが苦手なのはそれなりに理由があるのだ。従来の日本社会にはディベートは必要なかった。相手との協調性を重視して来たから。安易に欧米流のコミニュケーション法に流されず、日本人らしさも大切にしたい。日本人が得意な順応性を発揮して、今日のグローバル社会において日本人的考え方が必要な場面か、欧米流が必要か、日本人は判断出来るはずである。2014/09/17