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朝日文庫
東京漂流

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  • サイズ 文庫判/ページ数 397p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022643186
  • Cコード C0195

出版社内容情報

東京に象徴される現代日本社会のさまざまな側面を、写真の遊撃手が鮮烈な文章で抉る!〔解説・池澤夏樹〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月讀命

18
大変有名な本なので、解説の必要はないだろう。管理され、安全になっていくが、しかし同時に社会そのものが「去勢」されていくことへの、どうしようもない違和感と喪失感が紙面に漂っている。80年代前半、まさしくバブル前夜が舞台であり、平成生まれの人たちに取っては、前提の知識がないと解らないところが多いかもしれない。実際、この頃に子どもだった私でも、少々取っ付きづらい。しかし、彼が問うたこと自体は未だに古びていない。いや、むしろ予感が当たったというべきか。この本には一部大きな乱調が存在するが探してみてはいかがかな。

姉勤

8
人生を勝ち負けで別け、慈善行為を強要、容認させ、皆・無菌無臭無放射能を強いるデオドラントな社会、病的なアンチエイジング、徹底的な安全が、さも存在するかの様に、他者のちいさな瑕疵をあげつらう。これらのコマーシャリズムに捏ち上げられた、否定を許さないポジティブを愛でる価値観。古来よりケガレを祓う事を正とみなす日本人の、現代に蔓延する価値観は、生活の余裕が生まれ出した1980年が出発点なんだと感じた。当時童であった自分にも、これらの病いはしっかり根付いていた事を知った。2013/12/25

踊ウタマロ(コアラ擁護情報局長)

6
80年代から2010年代の今を覗き見されているような不快感と後ろめたさ。当時から現在、大きく様変わりしたようで内包する問題の本質は変わらず、一層極端かつ過激になりながらも、それを表面化させない知略や意識だけ先行している印象。歴史としても学ぶ機会のない60年代以降の我が国の光と影、高度成長期と言う輝かしい歴史に埋没した暗部。幼少期からその時代を生きた自分には、リアリティを感じると同時に在り方まで考えさせられた。我々はこの時代から進化したのだろうか。進化せざる負えなかったのだろうか。2014/09/14

麦畑五十郎

2
●草稿●血飛沫をあつめて早し最上川」。この衝撃的なコピーとある種の不気味な様相漂う一軒家の写真を初めて見たのは、中坊のとき。同時代的だったから当時は衝撃と言葉にならぬ圧迫感を覚えたものだ。高度成長の裏側にある圧が失われない20年の集大成なら、阪神淡路、東日本の災厄後の、諦念という名の安定は失われた20年の果実かもしれない。2022/12/24

haru

2
ニンゲンは犬に食わられるほど自由だ2020/12/01

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