内容説明
京都・紫野の地に立つ大徳寺。花園上皇、後醍醐天皇、大燈国師、一休宗純、小堀遠州と縁深い臨済宗大本山の山内にある、二十余の塔頭をめぐる歴史散策(第1部)全国四万余の八幡神社の故郷・宇佐八幡の杜をたずねて古代に思いを馳せ、福沢諭吉が生まれた海に臨む城下町・中津を歩く(第2部)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
59
『大徳寺散歩』の舞台大徳寺は名前を聞いても何もイメージが湧かないくらい何も知らなかったです。読み進むにつれ一休、利休、沢庵とビックネームが次々登場し面白かったです。そして京都に行きたい気持ちが再燃しました。『中津・宇佐のみち』は宇佐八幡神託事件と黒田如水のくだりがやはり気になりました。大徳寺の方でも登場した細川忠興がこちらにも出てきて印象的でした。2018/02/03
レアル
59
(①大徳寺散歩、②中津・宇佐のみち)大徳寺は歴史的価値もさながらそこに携わった僧たち、一休や利休、沢庵の物語が良い。また秀吉にとっても自分の運の分け目に縁があった大徳寺に思い入れがあったのだろう。②私は①よりもこちらの稿に興味を持った。黒田如水、福沢諭吉の話も面白いが「宇佐使」や道鏡の八幡・宇佐の杜の話が良い。そして中津城天守閣の話。現在中津城に聳え立つ天守閣に対して著者は「中津城には天守閣なし」説だ。この本が出版された時代から時間が経つが、今はどういう風に議論が進んでいるのかを興味を持ち読んだ。2017/09/20
巨峰
30
デートで大徳寺を訪れるので、急遽読みました。禅寺としての歴史と寺の造りが、なんとなくですが、わかりました。2012/11/17
Kaz
28
大徳寺は禅にまつわるエピソードを中心に。3年前に大徳寺に参拝したが、あれだけの規模の寺院は一度だけではとても見切れるものではない。中津と宇佐は道鏡、黒田官兵衛、福沢諭吉の逸話がふんだんに盛り込まれていて歴史小説のようであった。 司馬さんによると、日本各地には江戸時代の藩の影響が色濃く残っているとのことで、徳川譜代の藩は個性に乏しく、外様大名の藩はそれぞれにお家の個性が強いという。外様大名は京から西に固まっていた。だから、西日本には個性的な町が多いのだね。2019/12/18
KAZOO
24
京都の大徳寺と大分の中津・宇佐の周辺の街道が中心です。一休が出てきたり小堀遠州にも1章を割いています。やはり人物を書くと司馬さんの筆は生き生き意図するようです。宇佐八幡でも道鏡について書かれたり、また中津では黒田如水のことも書かれています。2014/07/15