終わりと始まり〈2.0〉

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022515445
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

【文学/日本文学評論随筆その他】災害体験の資産化、植民地としての沖縄、トランプ大統領と「事実」……困難を抱える人びとの話に耳を傾け続け、日本の危機、戦争のできる国への変貌を憂える。縦横無尽な作家の身体と心がとらえた、朝日新聞好評連載中の名コラム59。

池澤夏樹[イケサワナツキ]
著・文・その他

内容説明

災害体験の資産化、植民地としての沖縄、トランプ大統領と「事実」…朝日新聞好評連載中の名コラム59。

目次

三回忌の後で
憲法をどう論じようか
ホモ・エックスとの共生
伊勢神宮というシステム
名誉ある敗北
快適な都市の設計
希望の設計と未来図
社会主義を捨てるか
高千穂の夜神楽
ギリシャの不幸と財政ゲーム〔ほか〕

著者等紹介

池澤夏樹[イケザワナツキ]
1945年北海道帯広市生まれ。作家、詩人。ギリシャ、東京、沖縄、フランス、札幌と移住し、世界的視野からの創作と評論活動を行う。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、94年『楽しい終末』で伊藤整文学賞、96年『ハワイイ紀行』でJTB紀行文学大賞、2000年『花を運ぶ妹』で毎日出版文化賞、『すばらしい新世界』で芸術選奨文部科学大臣賞、04年『静かな大地』で親鸞賞、05年『パレオマニア』で桑原武夫学芸賞、11年個人編集の『世界文学全集』で朝日賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chantal(シャンタール)

85
東日本大震災以降から2017年くらいまでのエッセイ。エッセイと言うより夏樹さんの怒りとでも言おうか。日本政府、特に時の安倍政権への怒りが凄まじい。シリアやイラクなど難民問題もあり、世界中で本当に大変な事が次々と起こっている。民主主義と資本主義は違うものだ。現在の日本は民主主義の国と言えるのだろうか?肥え太るのは大企業ばかり。貧富の差は広がるばかり。読めば読むほど泣きたくなる。「終わりと始まり」とはヴィスワヴァ・シンボルスカさんの詩の題名。1.0もあるのでそちらも探そう。2021/10/26

あやの

47
2013年から2017年までの朝日新聞 連載コラム。私は何をしていたか。育休→仕事復帰の期間だから、目の前のことに必死だった日々(今もだけど)。その時、世の中にはこんなにも考えるべきことが溢れていたなんて!安倍・トランプ政権批判、ヨーロッパ・中東情勢、日本や世界の文化の考察、震災について、自然について……もっと平和な社会にするにはどうすればよいかを、多角的に考察する筆者のスタンスに感心した。奇しくも今、イランとアメリカの情勢が緊迫している。池澤さんならどう語るだろう。2020/01/08

ケディーボーイ

31
久しぶりの池澤夏樹のエッセイ。静かだが確かな怒りが伝わってくる。2010年代ひどいことがたくさんあった事を再認識。2022/07/31

おさむ

30
池澤夏樹さんの朝日新聞夕刊の連載をまとめたもの。やはり新聞のコラムは、その時々の旬のネタを紙面で読むから面白いのだと思う。こんな形でまとめると、どうしても似たようなネタがあったり、使い回しのフレーズがあったりする。また、細かい話題だと何だっけ?と首を傾げてしまう。それだけ時代のスピードが早まっているのかもしれない。最も印象に残ったのは、こんな文章。「昔の日本では大人が果たすべき責務が2つあった。家族を養うかせぎと世間様へのつとめ。それが今はかせぎばかり」世間は社会につながっている事を忘れてしまっている。2020/04/08

踊る猫

26
改めて読み返すとこの本の中で池澤夏樹は実に巧みにこちらを挑発する。いや、もちろん下品にこちらを煽ったりそそのかしたりするのではないが、それでいて彼の意見は「御高説」に留まるものではなくこちらにもヴィヴィッドに「おかしいと思わないか」と問いかけてくる、「活きた」ものであることが印象的に感じられた。初読の時に感じた何でも安倍政権やトランプ政権をディスる方向性に抱いたかすかな違和感/疑問は変わらない。でも、池澤夏樹は独善に閉じこもりワンパターンな意見を押し付ける論者ではないことが確認され、それが清々しく思われる2022/09/16

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