宿神〈第2巻〉

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022510037
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

 西行と鳥羽上皇の中宮・待賢門院璋子との悲恋を縦糸として、平清盛をはじめ、後白河法皇、崇徳上皇、源義朝、信西、源頼朝など、『平家物語』のオールキャストが登場する壮大な歴史叙事詩。生きるとは? 老いるとは? そして死とは? 人間の根源に迫る伝奇巨編!

内容説明

「義清様、この地は、古来この日本の大神域にござります。太き龍脈自在に走り、地の滋味もひと際深うござります。宿の神が集うこと、他の地とは比べものになりませぬ―」熊野道最大の難所・妙法山にて、義清は再びあれと出くわした。呼び出していたのは申と鰍であった。やがて都に戻った義清は禁断の一夜を過ごした待賢門院璋子に再会を果たすが、璋子は病んでいた―。義清は鳥羽上皇の御前にて歌を披露したことでその深奥さに魅了され、ついに出家の道を歩み始め西行と名乗る―恋は人をもののけにする。著者渾身の大河伝奇絵巻、怒涛の第二巻。

著者等紹介

夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年、神奈川県小田原市生まれ。77年に作家デビュー後、シリーズ人気作品を発表し、今日に至る。89年『上弦の月を喰べる獅子』で、第10回日本SF大賞を、98年『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞を受賞。さらに『大江戸釣客伝』で、2011年に第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、2012年に吉川英治文学賞を受賞。日本SF作家クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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nico🐬波待ち中

114
あの御簾の向こうに愛しき方がいる。あの方は自分のことを少しは気にかけてくれているだろうか。あの方の心の裡を知りたい…。義清の恋心が乱れに乱れる第二巻。切ない恋心はやがて運命をも狂わせてゆき、出家し西行と名を改めることに。やがて訪れるあの方との今生の別れ。無数の蛍が乱舞する中、愛しい人の寝顔を見つめる西行。生きる目的を失った西行の、今後の生き方がとても気になる。そして危なっかしい西行をいつも側で支え、固い友情で結ばれた平清盛との今後の関係も気になる。こんなことなら大河ドラマもちゃんと観れば良かったな。2019/06/22

文庫フリーク@灯れ松明の火

103
【伊勢の海あこぎが浦に引く網もたび重なれば人もこそ知れ】(秘密の事であっても度々繰り返していれば、いつかそれが人の知るところとなる)宿の神を通しての結びつき。猛る璋子への想いを「あこぎが浦ぞ」の一言で「二度と逢わぬ、あきらめよ」と義清に告げる璋子。【面影の忘らるまじき別れかな名残を人の月にとどめて】【恋しさや思ひ弱ると詠ればいとど心を砕く月かな】表紙は鳥羽上皇の御所の障子(襖)十枚の絵にふさわしい歌を望まれながら、激しい心の奔流のまま直筆で歌を書く義清。上皇を始め雲上人を前に、御簾の向こうに座す璋子の心に2014/04/03

よこたん

44
“歌とは、天への供物にござります”“心を贄として天へ捧げるための器が歌にござりましょう” 胸が張り裂けんばかりの狂おしい想いが、裡からこぼれ出て、歌になる。高く蹴り上げた鞠が、落ちてくることなく何処へか消え去った如く、あの方へのほとばしる恋の歌も空しく宙をひらひらと漂うばかり。出家したとて、人の心は容易には止められはしない。「ともすれば月にすむ空にあくがるる心のはてを知るよしもがな」西行のこの歌がかなしくて切なくて、ぽろぽろ泣いてしまった。これから向かう先には、何が待ち受けているのだろう。2019/05/23

柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中

35
西行の出家、それに至るまでの心の動きがここまで描かれれば、きっと大河ドラマも低視聴率にならずに済んだのにと思わずにいられない。そして、西行と文覚の生みの親との問答と、宿の神についての問答、これが日本の精神なんだろうなぁと思ったりする。それにしても、西行が描いたという書画を猛烈に見たくなった、どこかに残ってるんだろうなぁ2012/10/07

tama

34
なんとも激しい恋の話でした。呪はほとんど出てこないのでそっちを期待するとあれっと思うかも。しかし語り口のよさといい、人の生きる姿の描き方といいこれは大した作品でした。しかも最後に「第3巻に続く」とは!2012/11/09

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