岩波現代文庫
河合隼雄の読書人生―深層意識への道

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  • サイズ 文庫判/ページ数 255,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006032852
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0195

出版社内容情報

臨床心理学のパイオニアの人生に影響をおよぼした本とは? 読書を通して著者が自らの人生を振り返る、自伝でもある読書ガイド。

内容説明

臨床心理学のパイオニアとして道を切り拓いてきた著者にとって、どんな本がその思考形成と人生に大きな影響を及ぼしたのか。幼い頃から数多くの本に親しんできた著者が、自らの読書遍歴のなかで出会った本を具体的に取り上げ、読書の醍醐味と意味について、わかりやすい口調で語る。娯楽小説から文芸作品、児童文学、仏教経典まで二百冊以上の多岐にわたる本が、その人生とともに紹介される。ユーモアと洞察に満ちた、読書ガイドをかねた自伝。

目次

1 成人するまで(本を読むのは悪い子;西洋の香り;ロマン主義;教師から臨床家へ)
2 海外に学ぶ(ユング心理学;異文化理解;チューリッヒのユング研究;意識と無意識)
3 日本における心理療法(箱庭と昔話;児童文学;臨床の知;東洋の知、西洋の知)
4 深層意識の探求(エラノス会議;明恵の導き;物語の意味;日本神話の構造)

著者等紹介

河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年兵庫県生まれ。京都大学理学部卒業。1962年よりユング研究所に留学、ユング派分析家の資格取得。京都大学教授、国際日本文化研究センター所長、文化庁長官を歴任。2007年7月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きょちょ

26
河合先生のお薦め本は、学問的な本はその分野に関心があるかないかで異なるが、小説だと「あたり」が多い。 今までのお薦め本は大半読んだので、他にないか知る意味でこの本を読んだ。 重複する作品もあったが、新たに読んでみたいものも増えたのがうれしい。 また、先生が出会った人たちの人柄も、より一層知れたという意義もあった。 ★★★2019/08/30

kakoboo

20
これは面白かった! 河合隼雄さんの人生の機転やキーとなるテーマ(アメリカ留学、ユング研究所、児童文学、仏教、日本人について)に沿って役立った本のお話が書かれています。なのでユング研究、臨床心理といった専門的なことについても本を絡めて紹介しているので、専門の勉強にもなるし、他の河合隼雄作品にもつながっていきそうです。幼い頃の読書体験が50、60歳頃ふと役立つことがあるといった内容や、IT化が齎す情報の海と読書の関係については特に共感できてよかったです。やっぱりこの人すごい!2015/06/24

roughfractus02

16
200冊以上の本との出会いを著者の履歴に重ねると、時と共に因果性から相関性へ、論理から物語へ、無意識から深層意識へ、西洋から東洋へ、話すから聞くへ、治すから治るへ、のような重点移動が見られる。戦時思想に抗する力を与える西洋の本、高校で生徒との対話から読み始める心理学の本、訪米中の異文化体験から自身を見つめるために読む仏教の本、ユングやノイマンを読むうちに重要性を増す物語や児童文学の本。本との出会いは著者を未知の領域に誘うが、それらが見渡せるなら曼荼羅的な布置(コンステレーション)を作っているように思える。2022/12/26

阪口まな

10
苦手なフロイトを知ろうと思ったらいろいろと誤解は解けたのだけれどもやっぱり苦手でユングに興味が傾いた。著者の『ユング心理学入門』が笑いあり涙ありで大変おもしろくて(時代に合わないところもあったけれど)本書はさらに良かった。1冊を読みながら次々と読みたい本をメモしたのでこれから大変そうだ。自然科学と神話の中隔、トリックスター、この世界がカラフルに楽しい場所のように思えてくる。やたらと(笑)が多いのは気になる。下手すると2行に(笑)が並ぶところもある。はたして深淵な意味があるのか(笑)ひっかかってしまう(笑)2023/05/11

nano

9
河合隼雄の読書遍歴。 心理分析家として、海外に渡ることで、スタンスを西洋主義から東洋主義に回帰し、日本、そして世界で、東洋人としての臨床心理学者のパイオニアとして活躍するまでの、ターニングポイントになった本が知れる。 作者は臨終心理学の「核」として、世界中の神話など、「物語」が重要だと説く。 そして、これが意外だったのが、患者の診察では、「ああしろ、こうしろ」ではなく、「そうなんですか、はぁ〜、へぇ〜」などと、「聞く」に徹して、ひたすら「なにもしない」ことが、患者の回復への一番の近道だということだ。2020/11/10

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