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岩波現代文庫
ぺてん師列伝―あるいは制服の研究

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  • サイズ 文庫判/ページ数 328p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006020682
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0123

出版社内容情報

制服は人を惹きつける.体制が保証している証しにおびき寄せられる.確固たる地位・身分だと思わせると,俗物どもは喜んで金品を差し出し,ぺてん師たちは容赦なく巻き上げる.西欧の実話にもとづく人間悲劇・喜劇.

内容説明

制服は人を惹きつける。体制が保証した地位や職階の証しにおびき寄せられる。ドイツ軍大尉、プロイセン王子、ザクセン選帝侯太子、軽騎兵将校などと思わせると、俗物どもは喜んで金品を差し出し、ぺてん師たちは容赦なく巻き上げる。大笑いののちにハタとわが身を振り返らざるをえない、西欧の実話にもとづく人間悲劇/喜劇。

目次

ケペニックの大尉
制服の無頭人
二人のヴィルヘルム
贋のプロレタリア
王子と乞食
贋の王子
女ぺてん師ザビーネの冒険
少女服の法学博士
ブダペストの赤と黒
女闇公房の使者
贋金の作り方
贋金の使い方

著者等紹介

種村季弘[タネムラスエヒロ]
1933年東京生まれ。東京大学文学部独文科卒業。国学院大学教授等を経て、文筆業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

eirianda

5
いかに外見と所作が(正直にありのままの自分でいることより)社会を生き抜くには大事なことかがわかった。気づくのが遅かった…。此の期に及んでは、せいぜい他人の外見と所作に騙されないように、注意深く生き延びるしかないわ。とほほ。2014/10/24

AR読書記録

3
種村季弘・その2。これ読むと、価値観の逆転、越境、それも鮮やかに瞬時に行われる対極から対極への大転換、そういったものにとても興味を持ってた人なんだなと思うし、読んでるこちらも興味を持たずにはいられなくなる。そうした転換を容易に起こす、些細といえば些細な装置であるところの制服。たかが服だけれども、外面の一要素にすぎないけれども、それに大いに人は翻弄されるし、規定されるし、またある集団だけでなく国をあげて同じような装いが強制、要請されるシチュエーションを想像したらそら恐ろしいし。いろいろ考えちゃうな。2014/10/07

いなお

1
研究とは銘打っているけれど制服を用いたぺてん師の話を紹介しているだけだと思った。でも面白かったです。2012/04/22

編集兼発行人

0
近世から近代にかけての西欧にて世間を誑かした人々に関する評伝。心理的に共通する構造として自身の中に在る巨大な索漠を隠蔽すべく外面と其の延長である祝祭空間とを堂々たる威風でもって虚飾するという態度。物理的な身体の記名性に対する滅殺を前提とした権力の匿名的な行使に打ってつけの制服。社交における肝要はコンテンツ以上にマナーであるという達観。零や無限大との関係においては全く立たない歯。等々の考察を通じてペテン師とは大衆が自身の内に予め組込まれた騙られることへの無意識的な欲望を満たすために捏造した影の存在かと理解。2014/02/02

アルゴン

0
★★★☆  「ぺてんが相対性の遊戯だとすれば、それがゲームを成り立たせる場は、零と無限大という絶対を除いた実数の中にしかない」は名言だと思います。今も昔も人は形にだまされる。「少女服の法学博士」だけなんか浮いてるなあ。2010/09/30

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