出版社内容情報
「いくら勉強してもできるようにならない」のは勉強法に問題がないかな? 数学,英語などの問題にそって,なぜつまずいてしまうのか,もっとよいやり方はないか,アドバイスします.効率的で自分にあった勉強法をみつけよう.
内容説明
「いくら勉強してもわかるようにならない」「ちょっとした問題でも間違えてしまう」としたら、勉強法に問題がないかな?心理学の成果をもとに、数学、英語、国語などの問題にそって、なぜつまずいてしまうのか、もっとよいやり方はないか、具体的にアドバイスします。自分にあった効果的な勉強法をみつけよう。
目次
1 学習観を見直す(勉強法の問題点を探る;学習のしかたに目を向ける;勉強方の背後にある学習観)
2 記憶する(英単語の学習の工夫から;記憶理論から見た勉強法;記憶のモデルを考える)
3 理解する(用語が理解できないのはなぜか;図、公式、手続きの理解のために;文章を理解する)
4 問題を解く(問題を解くときの心の中;「数学=暗記」説はほんとうか;見落されがちな勉強のしかた;広い意味での問題解決)
5 文章を書く(小論文を書くときの姿勢;「読んでから書く」という本格的な小論文文章作成の過程とスキル)
著者等紹介
市川伸一[イチカワシンイチ]
1953年東京に生まれる。東京大学文学部卒業。現在、東京大学大学院教育学研究科教授。文学博士。学習、推論、理解などについて、教育実践と関わりながら研究している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
99
おもしろかった。心理学者として、認知心理学の視点から、おもに高校生に向けて科目ごとに効果的と考えられる勉強法を伝えていく一冊。科目ごとに、というのがポイントの一つで、単純に覚えるものが多いのか、あるいは覚えたものを使ってなにか考えるのかなどの科目の特徴によってやり方が変わる。あと冒頭でしっかり、ノウハウとしてこれが正しいわけではなく、個別の方法を取捨選択していくことの大切さを述べているのも親切。2022/11/10
白義
24
よくある勉強法本のように特定の勉強法を推奨するのではなく、一歩引いたメタ的な「人はどのようにして物事を理解するのか」という認知心理学的な知見から勉強法のヒントを抑えていく本。基本的には、暗記より意味理解、量だけでなく質を追及する立場に立ち、ではどのように人間が理解し記憶するのか、と学習の仕組みから丁寧に話を進めていくので納得度が高く、コラムでブックガイドや雑話も挟まれるから飽きることなく読める。英語、数学、課題文とテクニックを教えながら、より深い学問や思考の初歩にも誘ってくれる良書2015/04/01
tatsuya
21
認知心理学に基づいた頭の働かせ方。受験に限らず、勉強そのものを根本的に見直せる。2017/04/17
ユウキ
13
高校生向けに勉強の仕方が書かれているけれど、ここで得られる知識は応用度が高いと思う。「勉強量よりも何が身についたのかを気にかけろ」とか「『こうだといいのに』と考え、そうなるための手を探し出せ」とか「頭だけで考えるのは大変だから、手を動かし図や文字として外部化させて考えよ」とか。もちろんこうした手法の前提として基本的な問題の積み重ねや定義への理解が重要と説く。徹底反復の物量主義で勉強してたのがバカみたい(というかそれしかやり方を知らなかった)。実生活でも応用できそうなので早速学びに取り入れたい2018/04/07
anco
9
中学生や高校生に向けて勉強方法について書かれていました。学習は量より質。理解して覚える、失敗から学ぶという姿勢を持つ、何が身についたのかを気にかける。スムーズさが求められるものは過剰学習する。既有知識を使いながら、情報を関連付けることによって、頭の中に新たな知識構造を作り上げていく。複雑で実践的な問題になるほど、多くのスキーマや解決法に裏付けられている。2015/12/13