• ポイントキャンペーン

岩波文庫
暴力論〈下〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 313,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003413821
  • NDC分類 309.66
  • Cコード C0136

出版社内容情報

思想のあらゆる固着化を拒否し,思想の抽象的体系化を否定したソレル(1847‐1922)は,常に現実に浸透することによって思想に生気を取り戻そうとした人であった.議会主義的社会主義政党に対決し,労働者の反議会主義と行動主義を主張した本書は,いわゆるサンジカリズムの代表的理論であり,当時の労働者・知識人の歓迎を受けた.

内容説明

独特の思想によって「アナーキストからファシストまで」を魅惑したジョルジュ・ソレル。革命的プロレタリアートの暴力の純粋さを主張し、その崇高さを称揚。人間の情熱をかきたて激しい生命の高揚を伴う暴力は、退廃した社会を刷新する新たな道徳を生む。暴力の叙事詩を生産者のモラルへとつなげる問題の書。新訳。

目次

第5章 政治的ゼネスト
第6章 暴力の道徳性
第7章 生産者の道徳
付論1 統一性と多様性
付論2 暴力の弁護
付論3 レーニンのために

著者等紹介

ソレル,ジョルジュ[ソレル,ジョルジュ][Sorel,Georges]
1847‐1922(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんすけ

5
フランス語の暴力を表すviolenceは日本人の暴力感覚とは異なるようである。日本人が考える暴力はフランス語のforceが近いのでないか。後者は、力ある者が弱者を痛めつける感触があるのに対し、前者のviolenceは「強固な意志」と言ったほうが適切である。本書は、ニーチエの『権力への意志』を念頭に書かれたものであると云うから、Macht(パワー)について論じたものとすべきであろう。論じているというよりも、各種の政治闘争や階級闘争の形態を叙述しているという感も拭えないのだが。2017/01/01

それん君

3
ソレルの言う暴力は僕らの想像するような暴力とは違う。 なんかこう、精神的なもの。 血の流れる物理的暴力ではない感じ?かなぁ。 で、国家の強制力に対抗するためのゼネストがある。2018/09/08

トックン

2
「崇高」の話。暴力(ヴァイオレンス)を忌避するブルジョア道徳に対して、組合サンディカによる「~しない」というマイナスの暴力(罷業)をプロレタリアートの徳性ヴァリテとして提示する。これはカフカのバートルビーの物語にも繋がるひきこもり論ともとれる。またサンディカリズムは「地下」で何気ない人々によって粛々と遂行されるもので乱痴気騒ぎ(英雄主義)とは縁がなく、匿名の運動。という話に西部邁の保守主義や花田・武井の層としての運動を想起した。2020/05/05

古川

2
ソレルにいわせれば、フランス革命政府も国家権力が人民を抑圧している点では王政と同じであり、その点は議会制民主主義も変わらない。フランス社会党の指導者たちは国家によい地位を占めたいがために労働者を利用しているに過ぎず、選挙に期待している限り労働者の勝利はないとする。このへんはアナーキストに共通する主張ではある。ソレルの暴力論は道徳論でもあって、人間は集団に埋没するほど社会的無責任に陥り、モラルを喪失する、その最たるものが国家であるとし、一方ソレルの暴力は規律ある力であり、人民にモラルを復活させるという。2016/01/11

tyfk

1
新訳は「総罷業」が「ゼネスト」になってたりと、まあだいぶ読みやすくはなってるけど、追加された付論1をはじめ、面白いのは意外にキリスト教がらみの後半だったりする 2022/06/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5413
  • ご注意事項