岩波文庫
訳詩集 葡萄酒の色

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  • サイズ 文庫判/ページ数 349p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003319444
  • NDC分類 931
  • Cコード C0198

内容説明

評論家、作家、翻訳家として旺盛な文筆活動をおこなった吉田健一(一九一二‐一九七七)。ベレイ、シェイクスピア、キイツ、ラフォルグ、イエイツ、ヴァレリイ、エリオツトなど、独自の審美眼で選んだ英仏の詩を個性的な文体で訳した詩選集。

目次

ベレイ
シェイクスピア
バイロン
キイツ
ボオドレエル
スウィンバアン
ホツプキンス
ハウスマン
ラフォルグ
イエイツ
ヴァレリイ
エリオット
トオマス

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

34
岩波文庫の訳詩集シリーズは翻訳も耳に心地いいし、市松模様の装丁もお洒落なので気に入っています。でも英文も対比させて韻の踏み方やつづりの長さによる言葉遊びなどに注目した上で読んでみたいな・・・。T・S・エリオットの『荒地』の翻訳は吉田氏の方が好みかな。そして『ゲイ小説短編集』収録のオスカー・ワイルドの作品でシェイクスピアのソネットで謳われているのは彼の恋人であった美少年であると訴える男の話があったけど、あの説は本当だったんだな・・・・。2015/01/24

やいっち

27
久しぶりに詩篇を堪能した。シェイクスピアの14行詩や、ラフォルグなどの再発見があった。感想などは折々書いてきたし、吾輩の評価など僭越だろう。楽しませてもらったとだけ、書いておく。2018/10/17

fishdeleuze

26
吉田健一の訳詩集。シェイクスピア、エリオットのほか主にイギリス、そしてフランスの詩が収録されている。たとえば有名なシェイクスピアの『ソネット集』やエリオットの『荒地』は、他にもいくつか翻訳が出ているから試しに読み比べてみてもおもしろい。そうして感じたのは、吉田健一の翻訳あるいは翻訳の文体は端正で美しく、無駄がない。あっさりしているという気もするが、それでも、エリオットはゴシックなイメージがぶんぶん空を飛び、シェイクスピアの「君」は、つねに美しく、僕を惑わせる。巻末付録の翻訳論も興味深い。2015/07/28

壱萬弐仟縁

20
シェイクスピア14行詩抄の 第35番より。 「どんな人間でも常に正しくはなくて、 私にしても、 君が犯した過ちを他の例と比較して是認し、 君の罪を不必要なまでに弁護して、 君を宥すことで私自身の心を 捩ぢ曲げてゐる」(48頁)。 何か気になる一節。 ラフォルグ最後の詩の Ⅲ 日曜日より。 「こんなに天気がよくて、 家にゐるものなど一人も ゐないのだから、 薬屋まで熱醒しでも買ひに行きなさい。 それだつて、少しは運動になる」(162頁)。 2014/05/18

双海(ふたみ)

14
シェイクスピアの偉大さを改めて実感しました。「私が書く言葉にはそれだけの力があつて、人々が息をする口が/君をいつまでも生きて行かせる」 確信と断言。勁い。2020/09/20

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