岩波文庫<br> ゲーテを語る - 講演集

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岩波文庫
ゲーテを語る - 講演集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003294307
  • NDC分類 940.28
  • Cコード C0198

出版社内容情報

『非政治的人間の考察』以後,ほとんどすべての作品が,ゲーテの影響をうけたといわれるトーマス・マンは,作家的生涯の後半,ゲーテに傾倒,十一篇ものゲーテ論をのこした.その中から,「市民時代の代表者としてのゲーテ」「作家としてのゲーテの生涯」「ゲーテの『ファウスト』について」「ゲーテの『ヴェルテル』」の四篇を収録.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

54
ゲーテはエッカーマンに、「仕上げることを考えてはならない。旅をするために旅をするのと同じ」(21頁)。ノヴァーリスは、『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』で、精神的な統一こそが書物の真の魂であるという(31頁)。生の市民性とは、生のなかに広く足をふまえて立つこと(48頁)。世界文学という言葉はゲーテが創った(58頁)。『遍歴時代』の本来の問題は、個人主義的な人間性の自己克服(64頁)。2022/02/11

イプシロン

44
トーマス・マンの視線を通してだが、ようやくゲーテの人物像が見えてきた気がした。ある人曰く、未だわれわれの前を歩く知の巨人ということに納得できた。世界市民の一員として生きる。世界を変える手段は二つしかない、武力と継続。もはや非政治的なもの無き時代、であるなら反政治的に生きるのが平和主義である。天才とは極端な矛盾を抱えながらも両極の中庸を征く努力を怠らず、粘り強いこと。作家は閃きと狂気の狭間を揺れ動く精神の過酷に耐える人。教育とは常なる自己超克、教えるでも教えられるでもなく、支えあいながら自己超克に挑むもの。2019/10/14

有沢翔治@文芸同人誌配布中

10
トーマス・マンはゲーテに転倒していました。作家の講演といえば主観的に語る、という印象があるかもしれません。しかしトーマス・マンはまるで研究者顔負けの調査量! ゲーテの草稿、日記、手紙……すべての資料に目を通し、講演に臨んでいます。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51504468.html2019/03/27

Happy Like a Honeybee

5
書くことは。一切を掴み結合し、創造し捏ねて、独自の形式と手法を用いて、自分の周囲の世界を再生産することである。 ナポレオン、フランス革命の経緯が興味深い。 トーマスマンがゲーテの主作品、頭脳を引き出した歴史的一冊。2015/10/25

悸村成一

1
4編収録。図書館本。92018/01/12

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