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岩波文庫
イーゴリ遠征物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 215p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003260111
  • NDC分類 981
  • Cコード C0197

出版社内容情報

一一八五年春,南ロシヤの侯イーゴリは,かの地を脅かす遊牧民族の討伐に向かったが緒戦の勝利もつかのま,軍は潰滅,自身も敵の手に囚われ脱走,帰国した.この不幸な遠征の事件に基づき,イーゴリ侯の武勲と誉れを叙情豊かに歌いあげた本書は,ロシヤ中世文学の代表的傑作.中世ロシヤ語原典からの清新な翻訳でおとどけする.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

cockroach's garten

27
ロシア文学でも中世の文学作品は現存するのが少ない。諸外国の作品と比べてロシア文学はまだまだ未発達であったのが原因であろう。本書イーゴリ遠征物語も19世紀に原本が発見され広まった。しかしこのイーゴリ遠征物語は他の中世ロシア文学と違って評価が高く、同じフランスの中世期文学作品の『ローラン物語』と比肩する出来だと言われている。まだキリスト化してないスラブ圏の宗教を知るには良いであろう。2020/07/12

ひなきち

18
きっかけはボロディンの「ダッタン人の踊り」。あのなんともいえないメロディに魅了され、本作品に興味をもった。初めて読む叙事詩は難解だったものの、歴史・信仰(神)・風俗が織り込まれていることを付録の解説で知って、再度読んでみると、美しい文章だと思った。戦闘を農耕、麦打ち、結婚披露宴に例えたりだとか…面白い。原本が現存してないためまだ未開拓な部分があるらしいが、ロシアへの愛国心に溢れたイーゴリ公と、その周辺の人物に触れられる喜びを感じた。2019/02/19

とまと

7
イーゴリとは高校世界史に出てくる人物で言えばウラディミル1世の子孫。ポーロヴェツ人など東方遊牧民による度重なる侵入と、諸侯の頻繁な内乱により弱体化しているキエフ公国が舞台となっている。イーゴリ遠征物語に加え、付録として『イパーチイ年代記』の記事を収録。関連系図と関連地図もついています。よく分からない私のような人はまず解説から読むのがおすすめ。物語の背景の大枠が掴めます。例えばオレーク党とモノマーフ党の対立を理解せずに本文に入ると注に党の対立が云々、フセスラーフ党まで出てきて混乱するはず。2012/10/10

yoneyama

4
ほぼ平家物語と同時代。ボロディンのダッタン人の踊りで、脳内音楽はスタンバイ済みなので、スイスイ読めた。解説から読むと良い。ロシア人古典中の古典。ボルガ沿岸や黒海沿岸は、そもそもロシア人のショバじゃなかったんだなあ。地図と地名は頭にいれてから読んだほうが良いと思う。2019/06/21

壱萬弐仟縁

4
12C末ロシア(3頁)。31頁と41ページの絵の違いは比較すると、侵略しても転倒しているので、勝敗はいつ逆転するかしれない。イーゴリ軍の事例から学ぶことは立場が違えば見えるものが違うことであろう。いつも同じ立場では相手の立場は想像すらできない。今も昔も、闘うばかりで、相手の立場を考える想像力という意味では、進化していないのが不思議である。だから、原発で自滅してしまいかねない。ロシアもまた、チェルノブイリの後始末に追われ、日本も福一原発で先が見えない。自分の立場ばかりを考えた結果、自滅せざるを得ない愚かさ。2013/03/08

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