出版社内容情報
サンド田園小説中の傑作.子供のために金持の寡婦と結婚しようとする若い農夫ジェルマンは寡婦訪問の途中道に迷い「魔の沼」のほとりで一夜を明かす.同行の隣人の娘マリにジェルマンは親しさを覚え,寡婦の傲慢さに失望した彼はついにマリと結婚する.「アンジアナ」に続いて世に問うた作者の野心作.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
波璃子
7
ジョルジュ・サンドの田園小説。19世紀フランスの美しい田舎の風景と共に、そこで生きる農民の話が描かれていました。後半で当時の結婚の描写が続くのですが、儀式の中には誰が始めたんだろうと思うような奇妙なものもあり、風土や文化の違いを感じながら読みました。2014/07/19
このこねこ@年間500冊の乱読家
2
⭐⭐⭐ 引き続きジョルジュ・サンド。フランスの農民達の風俗を広く知らしめるために書いた小説。 田舎における恋愛事情がよくわかります。28歳男性と16歳女性の結婚、昔は当たり前でしょ!と思ってましたが、当時としてもやはり年の差感覚はあったらしい。 楽しく学ぶことができました。2021/06/24
まっちゃちゃん
1
本作が発表されたのは1846年。なんと170年以上前。活字文化に感謝するのみ。 妻を亡くした男が金持ちの再婚相手に会いに行く。が、道に迷い「魔の沼」で一晩過ごすことに。そこで、同行していた隣人の貧しい娘に恋してしまう。 サンドの傑作というだけはある。たしかに最初はとっつきにくいけど、読み始めると面白い。この岩波文庫版は付録として「婚礼」も収録されており興味深い。2022/03/08
りんりん
0
星3つ。訳が古いので読みづらいのと、語り部が作者になると退屈になる。冒頭では読むのをやめようかと思ったほど。でもまあ面白いことに変わりはない。愛の妖精のほうがよかったな。2017/09/25