出版社内容情報
さまざまな立場にある筆者たちは、どのような言葉に思いを重ねて、あのことを心に刻んだのか――。大震災のあと、のべ百名を超える人々により毎月書き継がれてきたウェブ連載。その第三期分、および地元紙としての強固な信頼関係とネットワークをもとに、被災地の現在を伝えつづける河北新報社の企画「歩み」と、同紙記者による書下ろしを収録。
内容説明
大震災のあと、100名を超える筆者により毎月書き継がれてきたウェブ連載「3.11を心に刻んで」。本書にはその第3期分を収録するとともに、被災地の現在を伝えつづける河北新報社の現地ルポ「歩み」と、同紙記者による書下ろしを加える。
目次
1 3.11を心に刻んで(二〇一三年三月一一日;四月一一日;五月一一日;六月一一日 ほか)
2 歩み 2013年河北新報社(宮城県名取市・閖上地区;福島県・浪江高校/なみえ交流館;宮城県石巻市・石巻水産復興会議)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
19
小児医師の細谷亮太先生は、「人間は極限の状況の中でも、 他の人のために何か役立とうとする生物」(13頁)。 恵まれているのに何もしない人は気恥ずかしいと思われる。 小沢節子先生は、1954年のビキニ事件で被ばく者は1万とも 2万とも推定されるという(62頁)。 毎年本タイトルが出るようだが、 2015に向けて、既に、現場は動いている。 その支援をどうするか、 国民的議論と実践が求められている。 2014/04/07
ちいさな図書館
6
様々な立場の人たちの「震災を経ての今」を読めるこの取り組みはぜひ続けてほしい。そして河北新報社についてとても知りたくなった。寄り添い、伝え続ける報道の大切さを思う。2014/03/27
yyrn
2
時折、忘れそうになる「3.11」を忘れないように読んだ本。共感する意見もあれば、上辺だけのように聞こえる意見もあった。ツライ思い出は早く忘れて、今を生きることだけを考えればイイのにと思った。もしくはあんなツライ目に遭ったんだから、どんな困難もへっちゃらさと立ち直るきっかけにすべきではないかとも思った。東日本大震災を忘れてはならないのは、もう二度と同じ過ちを繰り返さないためだ。嘆き悲しむためじゃない。2014/07/10
ほんよむしばいぬ
1
Ⅰでは宇野重規・半藤一利、そして宮地尚子にブックマーク。どれも心に刺さる文章。 Ⅱはどれも現実と向き合う被災者の姿が取材されていて時折胸が苦しくなる。 普段はもう忘れてしまっている人も311周辺ではこのようなブックレットでも良いから手に取って被災した人を思い出してほしいな。2014/03/19
crane155
0
ひさしさんは、東日本大震災と津波が、彼の故郷東北の広大な地を襲い、無惨な傷跡を残したのを目にすることなくこの世を去った。もし生きてその惨状を見ていたら、彼は全身全霊をかけて、人生の時間を被災地の人たちのために費やしたにちがいないとわたしは思う。2020/10/01