同時代ライブラリー<br> 大衆文化の原像

同時代ライブラリー
大衆文化の原像

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  • サイズ B40判/ページ数 271p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784002601359
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0395

出版社内容情報

日本文化の根底には大衆の夢と理想の原形が潜んでいる.“斬られ方の美学”“仁侠について”“少年の理想主義”など高度成長にむかう日本人の心情を映画,漫画をもとに捉えた常に新たな問題をはらむ大衆文化論の古典.

内容説明

日本人の心情に“斬られ方”の美学は消えたのか?日本文化の根底には大衆の夢と理想の原形が潜んでいる。“無駄派の美学と能率派の美学”“仁侠について”“少年の理想主義”“現代児童漫画の思想”など高度成長にむかう日本人の心情の変化を映画、漫画をもとに捉えた今新たに問題をはらむ大衆文化論の古典的論考を新編集。

目次

日本映画の伝統
斬られ方の美学
無駄派の美学と能率派の美学
仁侠について
チャンバラと四谷怪談
少年の理想主義
現代児童漫画の思想
善玉・悪玉
フロンティア・スピリットの終末
エノケンとチャップリン
戦争と映画
呻きと感傷とテンポ
家に生きる価値
なぜ大衆文化を考えるか―あとがきに代えて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gen Kato

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「死に向って確実な一歩を踏み出すまで、人間はでたらめでいい加減なものであるより仕方がないということにもなる」…半世紀も前に書かれた評論集ですが、当時の「現在」がいかにして今ある「現在」に繋がっているかが想起され、興味深いです。ことに『戦争と映画』は予言的でゾッとしました。「太平洋戦争の回想は、英雄的な敗北として、美しく悲壮なベールにつつみこんでゴマ化すことができる」。そうした少年戦記物で育ったであろう戦後世代が、まさに今、国の指導者になっているのでは…2014/08/10

星規夫

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映画・漫画・児童雑誌に関する佐藤忠男の初期論文集。低俗とされる通俗文化の力強さや、その歴史の根底に流れる日本人の封建的精神が指摘されており、「こういう見方があるんだなあ」と感心させられる。インテリや「高尚」芸術の批判には時々カチンと頭に来ることがあったけれど、そこも含めて自分の文学(芸術)観を再考する必要があるのかなあ、と思った。2012/05/18

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