出版社内容情報
無人島にたったひとりで漂着したロビンソン・クルーソーは,すべてを自らの手でつくり,病気や孤独に苦しみつつ28年もの歳月を生きぬいた.イギリス小説の父といわれるデフォーの傑作.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りんごのき
1
子どもの頃に、背表紙が取れるまで読み込んだ愛読書。ロビンソンがたった一人で、知恵をしぼり手を動かし、無人島での生活を作ってゆく過程が本当に面白かった。今読むと、この時代の白人至上主義や帝国主義、奴隷貿易など、現代では「過去の過ち」扱いの思想が全編を貫いているのがよくわかり、少し複雑な気分でもある。ただ、子どもの頃の自分がそういう思想に影響されたかというとそうでもなくて、ロビンソンの創意工夫溢れる生活の方が、ずっと印象的だった。何もかも用意され、創意工夫する必要がない現代っ子たちに読んでもらう価値はある。2016/06/28
柚原ぴよ
0
初読。物語ではあるんだけど、主人公の考え方とか行動、奴隷やタバコ畑などの言葉の端々から時代を感じる。物語自体は最初主人公懲りないなぁと呆れつつ、無人島生活に入ってからは面白く読めた。2014/06/15
ちゃんお兄
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ロビンソンさんは、自宅を城と呼び、オウムに自分の名前を呼ぶように仕込んだり、泣いたり走ったり怒ったりと自由気ままに孤独と戦います。読み手としてずっとそばで応援していましたが、最後まで楽しかったです。2010/10/18
はに
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再読、前に読んだのは小学生の時。ふと読みたくなって、図書室で借りて来た。何度も幸福になるチャンスを掴むのにそれを捨てる主人公を、馬鹿だなとも思うし、仕方なかったんだろうとも思う。島での生活は、何度読んでも心が興奮する。フライデイと出会う辺りからは一気に読めた。無鉄砲だった子供の頃を思い出す。2010/01/22
のん@絵本童話専門
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4つの訳を読み比べした中で、一番メインで読んだのはこちらの旧版少年文庫。古いながらも一番すっきりとした訳のため、サクサク読み進められる快適さが決め手。シンプル故に意味が取りにくい部分もあるが、読む子に前後の文脈から推論する力があれば気にならないと思う。原作はかなりくどくどと説教くさく、荒さの目立つ作品のよう。新版の少年文庫よりは残されているが、福音館や光文社古典新訳よりは細部が省略されてすっきりしていると感じた。船が難破して無人島に一人きりで自給自足して数十年暮らす。→つづき2024/04/16