出版社内容情報
ひっこみじあんで気のいいホビット小人族のビルボが，ある日，魔法使いと13人のドワーフ小人に誘いだされて，竜に奪われた宝ものを取り返しに旅立ちます．北欧の叙事詩を思わせる壮大なファンタジー．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そのじつ
18
映画化作品を観て再読。「桐島、部活やめるってよ」の原作と映画のように、物語を見る視点が変えられているので、大筋では同じでも、出来事やセリフの持つ意味が変わっている。本作の場合、映画は映像が主役で、物語がそれに追従する形で語られる。小説は「語ること」に大きな意味を持たせており、登場人物たちは「聞くこと」「語ること」に非常に注意を払い慎重に扱う。「しのびの者」として雇われたホビットのビルボは「非常に静かに歩く」。彼をやとったドワーフ達は「静かに歩くことができない」。文字で語られる「音」の世界なのだ。2014/04/05
早紀
16
「指輪物語」を読む前に、と勧められた本。ページをめくるにつれてどんどんホビットの世界に引き込まれた。久しぶりのファンタジーで、冒険の旅にドキドキ、ワクワクした。この世界ならではのいろんな生き物や言葉があって良かった。作り込まれた設定や美しい詩が素晴らしかった。2017/01/10
＊＊くま＊＊
16
スティーヴン・キングのオススメ本。実はこれに続く「指輪物語」（ロード・オブ・ザ・リングね）のシリーズを小学生のときに読み始めて断念した過去がある私・・・。その頃から始まったファンタジーへの苦手意識は今も続いていて、これも最初は面白かったけどだんだんダルくなってきて読み進めるのが辛かった（汗）。でも後半はいよいよラスボスの竜が出てきて、そうなると「あれこれドラクエじゃん！」ってなってかなり楽しくなりました（笑）。後半は一気読み、キング作品（特にダーク・タワー）への影響も大きいなぁと実感・・・共通点多いです。2014/11/17
世話役
14
人生で初めて意識的に読んだ長編は本書だろう。小学校の頃に通っていた塾のテストで出会った記憶がある。ガンダルフがビルボの家を唐突に来訪するシーンだ。テストを放り出して読み返し、帰宅後、矢も盾もたまらず家の本棚を探ったらなんと親が持っていた。それまで絵本以外の本は文字の塊というイメージしかなかったが、文字ばかりの中にもちゃんと世界があるんだな、と感動したものだ。今は当時のものはないが、自分で買った本がある。新訳ではなくこの旧訳版だ。中つ国には文字から入ったので、僕の中ではゴラムは今だゴクリなのである。2014/11/23
はる
12
図書館本。観てから読むか？読んでから観るか？読んでから観る！映画の「ホビット」のポスターを見てしまったので、くやしくてあわてて読む。もうだいぶ昔に読んだことがあるはずなのは偽の記憶なのか？家を恋しがりながら冒険にも魅かれる、そして必ず生きて還る。こんなにまっとうな旅だったとは。もっと子どもに戻れるときにまた旅してみよう。（さて、「指輪物語」を読む準備ができた！）2015/01/01
