出版社内容情報
およそ2000年前のスコットランド.奴隷の剣闘士フィドルスは,不当に王位を奪われ盲目にされたマイダー王に顔かたちが似ているところから,王の身代りをつとめることになる.額に王のしるしの入墨をして.
内容説明
親友の死を代償に自由を得た奴隷の剣闘士フィドルスは、簒奪者に王位を奪われ盲人となった馬族の王マイダーに顔かたちが似ていることから、王の身代わりをつとめることになる。困難な状況におかれている小さな氏族の運命をかけた危険なたたかいの連続のなかで、いやおうなしに「王」の役割を演じている間に、フィドルスはいつしか奴隷の剣闘士から真の王者になりかわった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
241
物語の舞台は古代イングランド。作品の中には正確に年代が述べられていないので推測するしかないのだが、アントニヌスの長城が既に建設されており、いまだローマの支配下にあった時代なので、おそらくは西暦144年以降であり、かつローマ軍がハドリアヌスの長城から撤退する西暦164年までだと考えられる。場所はアントニヌスの長城の北にあたり、ローマの支配下に入っていないスコット族(著者は本作の冒頭でカレドニア族とダリルアッド族としている)間の氏族同士の抗争を描いている。2019/04/11
森
7
世間はクリスマス一色だが、イエスの誕生日は10月頃というのはわりと知られている。ではなぜキリスト教ではクリスマスを祝うのか?キリスト教化される前、ローマ帝国に支配される前、ケルト民族等は冬至を太陽の復活を願う日として祝った。カトリック教会はイエスを権威づける為、古の祭りの日を救世主の降誕日としたのだ。現在でも緯度の高い国では冬至を盛大に祝う。本書はそんな国の一つ、スコットランドを舞台にした物語だ。2016/12/02