出版社内容情報
名著『雪』は「雪と人生」なる1章によって書き起され，雪の結晶に関する自らの研究に筆が及ぶ．読者は自然現象の不思議と，それにとり組む「科学」の面白さに惹き込まれる．人工雪を作ることに成功した中谷はその後も世界各地で雪氷研究に没頭したが，この間の体験と思索を平明な文で随筆に著わした．本集に精選して収められた作品は，自然，人そして科学について多くの示唆を我々に与える．
内容説明
本巻に収録されたものは戦後早々の作品をカバーする一冊となり、日本の科学者の筆になるものとしては数少ない編年風の随筆集である。
目次
原子爆弾雑話
冬ごもり
虹
樹氷の科学
農業物理学夜話
大雪山二題
雪は資源である
アメリカの沙漠
Ｉ駅の一夜
小さい機縁
天地創造の話
二つの序文
楡の花
簪を挿した蛇
防寒戸
立春の卵
詩人への註文
救われた稀本―寺田寅彦著「物理学序説」
「団栗」のことなど
