感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
38
あて宮を巡る狂騒も、この巻の「あて宮」の巻にて終了。失意のうちに出家したり都を離れたりする方もいて寂しいです。それにしても、物語のなかで詳細に描かれる四季折々の催しやその準備、お付きの人々の装束やお祝いの品などにも様々な趣向を凝らす、その隅々まで気を使った優雅さ贅沢さにはため息が出ます。仲忠の異母妹で春宮妃・梨壷の妊娠から、父・兼雅が仲忠母と暮らすようになってうち捨てていた奥様たちの問題が表面化。後ろ盾のない女性の侘しい様子に心が痛みますがそれにもめどがつき、梨壷が出産のために宮中から退出して次巻へ。2017/03/29