内容説明
一九九〇年代以降の中国では、農村から都市への人口移動が未曾有の規模で繰り広げられている。農民工と呼ばれる彼ら内陸農村出身の青壮年たちの活躍によって、世界の工場としての中国が成り立ち、農村と都市による二重社会が大きく変わろうとしている。本書では、人口移動の実態、移動政策、農家の出稼ぎ行動、農民工の就業と生活、農民大移動の社会経済への影響などについて、できる限り統計データを用いて分析。民国期および計画経済期における地域間人口移動と対比しながら、改革開放時代の人口移動の特徴を明らかにする。
目次
1 人口移動の歴史―民国期と計画経済期を中心に
2 改革開放時代の人口移動―市場化・国際化は人口大移動を引き起こす
3 農民工とその政策―農村と都市による二重構造の変容
4 農民の出稼ぎとその影響―「三農問題」は解消するか?
5 農民工問題の諸相―農民工は国民になれるか
6 中国経済はルイスの転換点を超えたか―農民工不足の社会経済的背景
著者等紹介
厳善平[ゲンゼンヘイ]
1963年、中国安徽省生まれ。桃山学院大学経済学部教授。開発経済学、農業経済学、中国経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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