出版社内容情報
歴史像には，それぞれに固有の空間認識が付随している．コスモスの垂直方向の秩序が解体して，水平の時間軸上に歴史が紡がれる．歴史に織り込まれた空間と時間のダイナミックで逆説的な関係を解きほぐし，「歴史」記述の本質に迫る．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
5
栗生沢猛夫「中世「ロシア人」の「民族意識」 「ルーシ」にみられる東スラヴ人の自己認識の問題」を目当てに読んでみた。ロシアもウクライナもなく、ただ「ルーシ」だけが存在した時代のお話。手堅い内容である一方、モスクワ大公国初期で話が終わってしまったのが残念。旧来のルーシ概念を引き継いだロシアに対し、ウクライナ人・ベラルーシ人という観念がどこから来たのか、それをこそ知りたかったのだが。2023/12/03
